ハイパーインフレというのはその名のとおり短時間にインフレが必要以上に進んでしまう経済状態のことをさします。
通常のインフレは年間で1%から3%程度のインフレ率で進行することになりますが、ハイパーインフレになると年率で100%から500%といった猛烈な勢いでインフレが進行してしまうことになります。結果として貨幣価値は大きく下落し、国民は大変な生活苦に直面することになるのです。
ハイパーインフレの現況は国の借金返済不能状態が起因
ハイパーインフレは途上国、新興国などで多く発生していますが、その原因は明らかに国の借金返済が不能な状態に陥ったときに起きることが多く、世界的に国の信頼度が著しく低下してしまいますと貨幣価値が大きく下落してこうしたハイパーインフレを起こすことになってしまうのです。
近年の事例としてはアルゼンチンが1980年代後半にやはりこうしたハイパーインフレに陥り国民の6割近くが貧困常態に陥るというきわめて厳しい状況に追い込まれ、国はデフォルトを余儀なくされています。
直近では産油国のはずのベネズエラで同様の事態が起きており、インフレを政府がとめられない状況が続いています。
こうした状況になりますと国がもっていた借金もほとんど棒引きになるケースがあるため、あえてハイパーインフレを起こして借金を帳消しにしようとする恐るべき動きをとる政府も登場することになります。
日本が狙っているのもこのハイパーインフレか
莫大な借金をかかえて返済の見込みがない国というと、すぐ思い当たるのが日本です。すでに国債の発行額は1100兆円に増えており、GDPの2倍を超える額にまで膨れ上がっていますが、なんとかこの国がデフォルトにならないのはウルトラ低金利を維持しているからで、ここからインフレがはじまると日銀の金融政策ももはや終焉ということになりかねません。
しかし国が狙っているのはこのハイパーインフレをわざと起こすことで借金を帳消しにすることなのではないかという憶測が市場では消えたことがない状態で、日本政府は膨大な外貨をすでに保有していることから、国民を窮地に立たせてもこのハイパーインフレで一気に借金を帳消しにするつもりなのではないかという指摘が強まっています。
この視点で見ますとヘリコプターマネーでも実施しかねない政権の解決法の思惑が最終的にここにあるとも思えてくるわけです。
日本は第二次世界大戦のときに国家の収入の9倍程度まで借金をして、戦争に負けたこともあり、ハイパーインフレーションが起き、デフォルトすることで解決をしてきた負の実績をもっていますが、ここから先同様の手口で借金を返済しようとしている可能性も捨て切れない状況にあるのです。