週明けの東京市場は、前週のNY市場での株式大幅下落を嫌気してドル円は窓空けで始まり、日経平均株価も猛烈な下げを記録する事となりました。
「終値895円安」は2013年5月23日のバーナンキ元米国FRB議長の「QE終焉宣言」を受けた大幅下落の次に続くレベルの暴落となっています。
ただ、東証は実に4割が空売りということで「ヘッジファンド」も含めた投機的な売りが優勢で、これがどこまで続くかが注目されるところですが、この文書を書いている内にもNYダウの先物が下がり始めていますので、ダウに関してはもう一段安を覚悟しておく必要がありそうです。
しかし現状の中国ネタのレベルで、ここまで下げるとは、どうも市場はオーバーシュート気味が間違いなく、大げさに動きすぎている感もありますが、一度動きだしたら止められない暴落に繋がることもあるので予断を許さない動きとなっていることは確かです。
ドル円の下値模索はまだこれから
さて、多くのトレーダーが最も知りたいのはいったいドル円はどこまで下がるのか?はたまたユーロドルはこのまま1.18方向に上がってしまうのかという事です。
あるラインを突破すればテクニカル的に次の抵抗線がどこにあるかについてはいえますが、24日も7月には抜けなかったドル円の121.37円をあっさり抜けていますし、逆相関にあるユーロドルは既に1.15をタッチし始めていますから、コントラストで考えれば、ドル円は今年3月26日につけた118.315円や2月16日につけた115.553円などは、既に目と鼻の先となってきている状況です。
平時でも年間10円以上は上下するドル円ですから、125円をつけた後に115円まで下落するのはそれ程不思議なことではありません。
今わかっていることは中途半端なこの3つだけ
相場の正確な先行きはだれにもわかりませんから、いくら想定しても意味はありませんが、他に影響を受けるとしても自律的に発生する事象として今わかっていることは3つほどあるといえます。
1.7年から10年に一度は米国証券相場が暴落するということ。しかも、そろそろタイミングが近くなっている。ただそれが何に起因するかは不明。
2.中国は9月が人事の季節であり粛清を含めて人事刷新があると、さらなる問題が表面化して経済的混乱を加速させるような発表がでる事に~過去の事例から言ってほぼ確定的
3.国内は安保法制国会通過時に株価を下げたくない状況、さらに11月上旬に郵政グループの上場を控え、日経平均をこのまま大幅に下落させたくない。
しかし、この3つの要因だけでは相場の先行きを見通す材料にはならないのが実情です。
米国の相場が中国起因でさらに暴落するのかどうかがポイント
リーマンショックに比べれば、今回の中国の景気大幅ダウンは外的要因ですから、影響は受けてもその結果で被るダメージのレベルはかなり緩やかで、比べ物にならない可能性はありますが、リーマンショックの時も散々サブプライムローン問題で株価が低迷し、少し戻りかけた時に大きく底が抜けていますので、今の中国ネタが暴落相場のドライバーとしてさらに大きく機能してしまうことになるのかどうかを見極める必要がありそうです。
仮に暴落は免れたとしても秋の底値はまだこれから
もはや米国の利上げは話題に上らなくなっていますが、今回中国起因でNYSEが暴落を免れたとしても9月は例年、かなり相場が落ち込む時期ですから、今日あたりの落ち込みが底と見るのはかなり早計といわざるを得ない状況です。
9月はもう少し我慢して底値をしっかり確かめてからエントリーしても遅くはなさそうな状況です。
うかつなレベル感からエントリーすると大怪我をしそうな雰囲気です。
国内PKO勢は本当に下値を買い支えられるのかも問題
月曜日の相場状況を見ていますと「GPIF」はかなり外債購入が進んでおり、昨年の秋口ほど外貨を購入できる状況ではないと思われますし、日銀はETFの購入平均単価である19370円レベルをあっさり割り込んでも買い支えられていませんから、大幅な下げ局面で本当にPKOが機能するのかどうかについてもかなり懐疑的にならざるをえない状況です。
ということで9月は当面ドル円の底値ウォッチングに力を入れざるを得ない相場展開が続きそうです。
もし買うならば大幅にポジションの量を減らしてリスクをヘッジしていく動きが必要ですし、比較的タイトなストップロスを入れて、ダメなら買い直すぐらいの覚悟が必要になりそうです。厳しい9月相場突入です。