今年のFX取引も余すところあと1ヵ月半程度となりましたが、この間には米国のサンクスギビングの休みやクリスマス休暇も入りますので、事実上年内は一ヶ月ちょっと残すだけとなりました。
見事なほど儲かっていないHF勢のFX取引
すでに多くの「ヘッジファンド」が閉鎖に追い込まれていますが、仮に生き残ったとしても利益を上げられていない「ファンドマネージャー」は年内解雇がちらつきはじめ、翌年2月に支給されるボーナスを手に入れることなくファンドを去らざるをえない危機的な状況にある人間も多く存在することから、12月初旬に向けて大勝負に出ようとする向きが増えている状況にあるようです。
上記の運用成績一覧はHFRのサイトで公表されているものですが、ご覧いただければわかるとおり、今年は見事に儲かっていないことが粒さに見て取れます。
よくよく見ますとすでに2014年から様子のおかしいところも多いわけですが、今年は通年でみるとほぼ全滅に近いほど儲かっておりません。
通常のFX主体以外の「ヘッジファンド」もこの12月の大勝負に乗り出してきそうな気配で、どこまでこうした「投機筋」だけの力でドルを持ち上げることができるかはかわりませんが、どうやら死に物狂いでやってきそうな気配だけは十分に伝わる状況になってきているのです。
ドルインデックスは100を突き抜ける勢いに回復
今年「8月24日の大暴落」でかなり下押ししたドルインデックスですが、この12月利上げ説が急展開しはじめてから大きく値を戻しており、対ユーロで大きく上昇していることが後押しとなって、またしても100に極めて近い水準まで戻ってきています。
「ECB」は本当にマイナス金利幅を広げるつもりのようで、ユーロ安ドル高の飛び込み台にさらに「FOMC」による利上げとなれば12月16日の前、もしくは直後にドル円は125円近辺、ユーロドルは1.04抜けが狙えるため、このどちらも「ヘッジファンド勢」が買い上げることで大きく上昇しそうな様相を呈してきています。
もはや本当に利上げが行われるかどうか?よりもそのポイントに向けて買い上げたドルをうまく売り抜けられるかどうかの問題になってきており、個人投資家としてもこの流れに追随してどこまでご相伴に預かる事が出来るかが年末利益獲得に向けての大きなポイントになりそうです。
問題はエントリータイミングとEXIT時
ドル円もユーロドルもかなりドルベースで見ると高いところに来てしまっていますが、一旦下押しして戻るところを拾えるかどうかがこの11月のポイントになりそうです。
既にドル円は123円台から調整しはじめていますので「経済指標」で悪い数字がでた後や、サンクスギビングの休暇前のポジション整理などのタイミングをうまく見計らいながら下値をどれだけ買い下がれるかが重要になりそうです。
相場に絶対はありませんから買ってみて手ごたえが悪ければ無視せずに適当なところで利益確定をしていくことが重要になりますが、12月14日の週は急激に市場参加者が減少して流動性が下がりますのでこの週明け段階で一旦利益がでたポジションは実現益に振り替えて、限定した量で16日を迎えるように調整しておきたいものです。
「FOMC」以降は相場が動かなくなりますし、材料で尽くしで大きく売られる局面がやってくる可能性は今回の「ヘッジファンド」の動きで極めて高まっているといえますから引っ張り過ぎないことが重要となりそうです。
またユーロドルについても年末は実需でのユーロ買い需要がでるタイミングですから「ECB」後の下落の程よいタイミングもしくは市場が織り込んで大幅下落したタイミングに欲張らずに利益確定をしていく心構えが必要になりそうです。
いずれにしてもドル円、ユーロドルは暴落以外ではもっとも大きな動きになりそうですので、上限がある程度決められている以上、いかに下押し段階でポジションを仕入れられるかが最大のポイントとなることは間違いない状況です。
まさかの下げ場に備えて指値でまちかまえておくことも有益な手段になるかもしれません。
(この記事を書いた人:今市太郎)