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欧州連合（ＥＵ）のトゥスク大統領は2月2日、英国が求めているＥＵ改革に関する合意案を示しており、これをベースにして2月18日・19日の両日に開かれる、ＥＵ首脳会議で加盟28カ国が合意できるかどうかが焦点となります。
ただ、英国サイドが考えている内容とEUからの回答にはかなり隔たりがあり、このタイミングで合意できなければ再度3月の首脳会談で師協議することになりますので、6月に予定されている国民投票は夏休み明けの9月に先延ばしとなる可能性もあり、会議の進展が注目されます。
2月19日の会議で合意となれば6月中旬に国民投票実施の予定
さて、為替のトレーダーにとってはこの合意がはかられたところからが、ポンドトレードの大きな基点となってきます。 このスケジュールについては、ロンドン在住の元インターバンクトレーダーである、「松崎美子氏」が詳細に自らのブログで説明してくれています。⇒ ロンドンＦＸ
決定後、最低でも10週間が必要とされているようで、最も早い投票日でも6月9日ですから、為替相場が思惑で上下するにはかなりの時間がかあるということが言えます。
前回不発に終わった、「スコットランドの独立住民投票」を巡っては、結果が出てからの動きも大きなものがありましたが、実はそれ以前の世論調査の結果がでるたびに猛烈に相場が振らされることとなり、ポンド/ドルとユーロ/ポンド主体で当然の事ながら、クロス円のポンド円も猛烈な上下を繰り返すこととなりました。
1日に300PIPSなどというのも当たり前の「ボラティリティ」を示現することとなりましたから、順張りでついていけば相当稼ぐことができたことも事実となりました。
しかしBBCやFT,ロイターなどのリアルタイムのヘッドラインを見ていませんといきなりポジティブやネガティブな報道のヘッドラインがでて大きく振らされることになりましたので、英国の政治報道に関するリテラシーを要求されるディールとなることもかなり覚悟をしておく必要がありそうです。
2月19日に正式に決定することになるのかどうかはわかりませんが、ここで決まればさっそくポンドには動きがでることが考えられます。
「ＥＵ」からの英国の離脱は言うまでもなく英国にとっては大きな損失を伴うものとなるため、ポンドはひたすら売られる可能性が強く、3月には「ECB」による追加緩和の問題も登場してきますので、様々な政治的なイベントをこなしながら6月むけて動いていくことを想定する必要がでてきます。
UKのユーロ離脱を視野に入れた民間の動きにも注意
国民投票が決定となれば、その結果が出る前に、多くの民間企業が英国からの撤退をどうするべきか判断を迫られることになり、投票結果前に動きが見られる可能性もでてきています。
とくに英国に本社をもつ金融機関の多くは英国から本店機能を移行させようとしており、こうしたアナウンスメントが国民投票に先んじて発表されるようなことありますと、それを受けただけでもポンドが大きく売られることが考えられます。
本当に英国国民が「ＥＵ」からの離脱に賛成することになるのかどうかは不明ですが、6月までの間の相場の乱高下にいかに乗っていくかが今年のポンド取引の大きなポイントとなりそうです。
最大の方法は、動き出した方向にしっかり順張りでついていき、絶対逆張りはしないことです。
また逆方向に動きだしたらすぐに損切りをして入りなおすか、ドテンでついていくといった機転が他の通貨ペアでの取引以上に求めれることになります。
たっぷりとした証拠金を積み増して、大きな「ボラティリティ」に対応し、簡単には損切りをしない一貫したポンド売りという方法ももちろん考えられますが、前回の「スコットランドの住民投票」のことを思い浮かべますと、このやり方は相当な覚悟が必要になりそうです。
精神的にもタフなものが求められそうですが、うまくとれれば今年最大の利益獲得チャンスになる可能性があります。
（この記事を書いた人：今市太郎）
