4月の動きが否定されたドル円、クロス円相場

いよいよゴールデンウイークですが、今月FXを継続的に行ってきた個人投資家の方の思いはかなり複雑なのではないでしょうか？

「日銀の政策決定ゼロ回答」のおかげで、ドル円相場は完全に4月初旬にレベルにきれいに巻き戻してしまうこととなりました。112円手前まえで戻した相場は1日、いやほんの数分で完全に行って来いのレベルにまで巻き戻しをしてしまうこととなりました。

恐らくここまで戻ると想定していた方も少なく、109円台初頭や当初の下落から戻した108円台後半で少しはショートカバーを期待した向きが多かったことと思います。

しかし、結果はそれ以上に激しく過去2回の「ECB理事会」での「ドラギ発言」でユーロが対ドルで大きく戻したレベルを超える世界を示現することとなり、その破壊力の凄まじさを見せつけられた感じです。

チャートから見ますと上下のレンジは、また4月のはじめに引き戻された感じで、ここからは上を目指すのではなく下方向の可能性が格段に高まっていることがわかります。

一部のメディア報道ひとつだけで異常に飛び込み台が高くなり、結果現状維持で完全にもとのレベルまで戻ってしまったという恐ろしい相場ですが、日銀が市場との対話を重視し、サプライズだけの政策に終始しなければここまで発射台を事前に高めることもなかったのではないかと思う結果です。

たしかに日銀は今回の政策決定に際しては何もしていないわけですが、これだけの甚大な相場の暴落を引き起こしてしまって何も悪くないと本当に言えるのか、かなりクビを傾げたくなる状況です。

クロス円もトレンドは一変

クロス円の状況もドル円とほぼ同じで、掛け算通貨だけにボラティリティはさらに大きくなっており、気がつけばもとの下落方向に向かっていることがわかります。

こうやって1時間足で比較してみますと、4月に入ってからの動きはどのクロス円もほぼ似たようなもので、「資源国通貨」は「原油価格」が戻したのにつられて山が高くなりましたが、それも今回の動きでほぼ失う形になってしまっています。

相場のことですから新しい材料が登場して、また上進する可能性はありますが、6月までは主な「中央銀行」の政策決定もなく、国内での政策対応も「伊勢志摩サミット」での成果を醸成するために後半にもってくることになるでしょうから、5月単月で見ますとこの下落のトレンドラインにどこまで相場がついていくことになるのかを見極める動きになりそうです。

4月中盤の一時的に戻すセンチメントはどうやらこれで完全に終わった感がありますので、しっかり頭を切り替えて対応することが必要です。