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ドル円を中心に大きく動いた5月相場もいよいよ終焉を迎えますが、GWに怒涛の下落をし、また5円近く戻すという激しい上下運動となったドル円は月の後半から動きがすっかり不明確になり、売りのサインがでても踏み上げが起きたり、なかなか下がらない相場展開が続いています。
ドル円は一旦上昇したがっている
チャートを利用した売買サインを使って売りを出してみても、うまく上がらないのが足もとのドル円相場で23日だけは水星の逆行が順行に戻るタイミングで、かつ満月のあとというアストロアノマリーが的中したようで一旦109円台まで下落したものの、その後は戻す展開となりつつも、大きく上方向には上昇せずにもみ合い相場を続けています。
9月以降に110円の為替をなんとか確保したい輸出の「実需勢」は銀行のオペレーションコストやスワップを考えれば「110円60銭」から上に売りをおきたくなるはずで、上昇したがっているドル円もここを大きく超えていくだけの材料がないままに頭を抑えられた状態が続いています。
4月の「日銀政策決定会合」前までに買い上がった「111円87銭」レベルを明確に超えてくることになると、相場の見晴らしはかなり変わることになりますが、ここまで戻すことができるかどうかが大きなポイントになりそうです。
当面は27日の「イエレン議長」ハーバード大学講演などが注目されますが、こうした講演での発言だけでここまで戻せるかどうかはかなり難しさを感じるところです。
当面、6月15日の「FOMC」までは少なくとも為替はこうした膠着状態が続きそうな気配です。
本邦証券業界はサミット後の株価上昇に期待だが・・
相場の膠着と薄商いに見舞われている本邦の証券業界は、サミット後の政策発動から株価上昇にかなり期待しているようですが、世界的には非常に小さな話であり、これにドル円が大きく突き動かされることになるかどうかもかなり不明確になりつつあります。
大型財政出動と消費増税先送りを実現させれば、日本の格付けは2ノッチ下がるとも予測されており、当座の消費低迷は抑えられてもそれだけで景気が回復するとも思えず、しかも格下げで金融機関株が下落するようになれば、結果として日経平均が下がることもありえそうで、手放しには喜べない状態が継続中です。
ドル円については一旦どこまで戻るのかを見極めたうえで夏に向けて売り場を探していくことになりそうです。
EU残留期待だけから買い戻されるポンド
一方ポンドは英国のEU離脱回避期待から非常に買い戻しが進んでおり、ポンドドル、ポンド円ともにほとんど同じようなチャートを示現させています。
4月にかなり思惑から売られたポンドですから、一定の買戻しがでても不思議ではありませんが、こちらも6月23日までは世論調査の結果次第の動きになりそうで、果たしてどこまでついていくかがかなり悩ましい状況になってきています。
出展 CME
IMM positionCMEが発表しています「IMM」のポジションで見ますとポンドドルの売りこしは4月19日に一旦ピークをつけながら徐々に減ってはまた増えるというなかなか微妙な動きとしており、「投機筋」も悩みながら売り買いを交錯させていることがわかります。
ここから先ポンドの売買はかなり博打的な要素が強くなりますが、どうしても売買に参加するなら、とにかくタイトなストップロスを入れて反対に動いたら逆指値でポジションをつくるなどの工夫が求められることになりそうです。
EU離脱回避ならば一旦買い上げられて下落するという、スコットランドの住民投票結果時のような動きが想定されることになります。
しかし、離脱過半数となるとその後、「ポンドはドルに対して12%から15%程度下落する」といったシンクタンクの予想もあり、出口調査の結果をみてから売り始めても遅くはなさそうです。
ドル円もユーロドルもよくわからない動きになっていますので、ポンドで大きく稼ぎたいところですが、こちらもリスクはかなり高く、思いつきでポジションをもつことはなかなかできないのが実情になっています。
（この記事を書いた人：今市太郎）
