ドル円が急劇に円高に動きつつあります。参議院選挙後に下落するかとばかり思っていましたが、どうやらそんなに甘いものではないようで、5日の夜からポンド円が急落したのについていくように6日も朝から下落がとまりません。
甘くみてはいけないポンドの下落
とにかくチャートを見ればわかりますが、6日も朝から昼前までであっという間にポンド円は4円近い下げを演じています。
これにつられる形でドル円も下落していますから、その下落のスピードが尋常ではない状態です。
やはり相場はまだ場が薄い感じで、するすると落ちていく勢いは恐ろしいばかりのものがあります。
ドル円の下落はポンド円ほどではありませんが、それでもたいした材料がないままにどんどん下落する様は24日の再来を思わせる印象があります。
ここからは120円程度までの下落はもう目と鼻の先になってきていますので、ドル円がそれにどこまでついていくことになるのかが非常に注目されます。
再度の底値模索の動きか?
一般的に言えることですが、大幅下落で底値をつけた相場で、その要因が海外の場合、だいたい1ヶ月程度の中で二番底もしくはそれ以上の下落を示現させるような相場展開になることが多いことが過去の事例から知られています。
今回の「BREXIT騒動」もまだ決して何も終わったわけではありませんが、政治的には一旦休憩状態でも為替相場のほうはポンド主体でかなり積極的な動きがでていますのでここからはポンド円を意識しながらドル円の売買をすることが重要になります。
この夏、ドル円はいずれにしても下落方向にあるとは思いましたが、その動きは政治的なイベントとは関係なくどんどん進行してしまいそうな勢いです。
とうとう口先介入も出てこない日本の金融当局
1日1円程度の下落は無秩序とは言えないのか、とうとう金融当局は「為替介入」のそぶりを見せることもなくなっています。
もちろん99円から考えれば前回の下落の範囲内の動きですから、大騒ぎをすることもないのかも知れませんが、ドル円については相場に何の支援材料もない状態が続いています。
ドル高で円高という動き
足元の相場はドル高で円高が進行しています。円はもちろん上昇していますが、ドルも平行して上昇しており、ドル円は明らかに円が強い状況になってきています。
こうした動きでは、クロス円全般が円高になりますので、ドル円はクロス円に影響を受けて「オーバーシュート」気味に動く可能性が極めて高くなり、相当な注意が必要です。
ここからは迂闊なレベル感だけで「逆張り」による買い向かいをするのはかなり危険です。
とにかくドル円で売買する場合には、常にポンド円ないし他の通貨とのポンドの動きもチャートでチェックをしながら慎重に行う必要がありそうです。
1時間足などもう少し長いチャートで見てみますと、かなりドル円とポンド円は動きがシンクロしていることがわかります。これまではそこまでポンドに影響されることはありませんでしたが、やはり市場ではポンドが主体で相場を動かしていることは明白です。
十分に用心深く売買をしていくことがお勧めとなります。また一旦戻したところでは戻り売りのチャンスが到来することになりますので、こちらもチャートをみながらベストなエントリータイミングを探していきたいところです。
24日に相当市場は痛んでしまったことから、それなりに市場参加者も限られている状況が今も続いている可能性が高いようです。
チャートで参入できるタイミングをしっかり確認することが重要になりますし、かならずストップロスを入れて間違った方向に動いた場合には丁寧に損切りすることも大切になります。
ドル円以外の通貨を売買しているトレーダーの方もポンドの動きは十分に確認してから売買を行うようにしてください。ここではご紹介していませんが、ユーロ円や豪ドル円も似たような状況を辿っていて非常にリスクが高くなっています。
(この記事を書いた人:今市太郎)