週末のニューヨークダウは大きく下落をしました。この要因は世間一般では、アメリカの利上げ懸念といわれておりますが、私たちが仲間内で話していることは今月の「FRB」による利上げはないであろう、という話が大勢を占めています。
ただ、この国際協調がどこまで有効なのか、という点においては疑問があるので、前回ほどは自信に満ちた結論ではありません。
ただ、国内外の状況からいっても利上げはありえないのが状況下であるな、というのが感想です。むしろ、個人的な感想で、今年も先進国や新興国の財政政策が執行された年末12月に利上げを敢行するであろうというのが私の感想です。
それまでにドル円が110円くらいつけてくれればOKというスタンスです。そのときにユーロドルが0.9くらいということもお忘れなく。当然、ユーロ円は100円くらいという話になります。ポンドドルが1.45ドルくらいで、ポンド円は160円は贅沢かな、とも思っています。
労働市場の後退
「FRB」の発表している、労働指数というものが、そもそも、全く意味を為さないのは前回も述べたと思います。直近の労働環境、雇用環境は充実しており、何の指標がこのような悪化をもたらしたのかが皆目わからない状態です。
ただ、労働市場というのは、景気の遅行指数ということは何度も申し上げた通り。私たちが普段目にする「経済指標」というので重要視されるものは先行指数にカテゴライズされる指標でその数字如何によって為替相場の行方は変わるのです。
労働市場の役目は何かというと、景気が拡大、後退していることの追認作業であって将来の価格を見通したい私たちにとっては意味のない指標になります。
今はテクニカル的に労働市場が注目されているだけで、基本は労働市場、マーケットの行方に甚大な影響をおよばさない、ということです。
つまり労働市場が後退していることによって、景気が後退しているというバカな専門家がたくさんいますが、労働市場はそもそも景気指標の中でも遅行指標ですから、今の悪化は「イギリス離脱問題」によっての労働市場の後退と片付けることができます。それを景気後退というのはアホではないか、と思います。
結局
週末のニューヨークダウの下落というのはまともなトレーダーは利上げ懸念ということは考えていないと思います。むしろダウの先物チャート日足をみるとこれが中段の「モチアイ」であるとは確認できますし、これを契機に下落に転じるとはとてもではない、ということはテクニカル専門家はいうと思います。
実は、欧州銀行の中で、レポ取引を中止したというニュースが飛び込んできたので、金融危機の発生の可能性があるということでみな、あわてて手仕舞いをした可能性が高いのです。
金融業界では今、その話で持ち切りなのですが、私は、大したことにはならないよ、と思っています。下がるなら株も為替も買いたいというのが本音です。
理由はその銀行前から、危ない、危ないと言われていたから、もう用意準備万端だと思うからです。最悪、倒産となっても織り込み済みでしょう。
(この記事を書いた人:角野 實)