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昨日の参議院予算委員会で共産党の小池議員が「GPIF」について質問をしていますが、2015年4月から1年3ヶ月で10.3兆円も失ってしまったそうで、その質問に対し、安倍総理は短期で評価してもらっては困るといった苦しい答弁をおこなっています。
個人的な経験上短期でまったく儲からないものが長期で儲かるはずはなく、あきらかに投資の方向感とエントリーの仕方に問題があるのではないかと強い懸念を感じる次第ですし、国民から預かったお金のはずなのに非常に適当に運用しているところが実に腹立たしい限りです。
しかもここからは高齢化社会で「GPIF」の原資自体が年金の支払いのための取り崩しで年間で5兆円程度ずつ減少すると言われていますから、この調子で損失を繰り返せばあっという間に年金原資はなくなることが容易に予想されます。
下手をすればもはや10年持たないのではないのではという疑問もわいてきます。ここ3年ぐらいは公的機関の買いに市場が期待する部分もありましたが、もはや「GPIF」などはそうした存在としても機能しなくなりそうな危ないところに差し掛かっているこをを強く意識せざるを得ない状況です。
本当に熟考して買っているのか？
10月に入ってからの相場を見ていても「仲値」のあとにいきなり暴力的に買いを入れてきて、あとはおしまいといったかなり雑な買い入れを行っているのが「GPIF」をはじめとする準公的機関のやり方で、素人目にみてもこのようなやり方で儲かるわけがないと思うようなトレードを結構平気でやらかしているのが気になるところです。
人の金でやっているので「ナンピン」でも高値の買いでもやりたい放題の感があり、国民の資金をこういう形で適当に運用し、都合のいいことに使われてしまうことに対しては相当な嫌悪感を感じるものがあります。
ドル円が円高に振れたことから買い入れ余力が増えたという話もありますが、これもかなり本末転倒で、早晩この組織が相場を買い支える機能を発揮できなくなることも容易に想像できるところです。
日銀と準公的年金だけが買う国内株式相場の未来は暗い
ここのところ見事なほどに「株と為替の連動感」というものが東京市場でも見られなくなってしまいました。外国人投資家が株を買いにこなくなったわけですから、当たり前といえば当たり前ですが、これまで為替取引で指針としてきたことも相当崩れた感があり、相場を見極めるのがかなり難しくなってきたことを実感させられます。
足元の日経平均は本日あたりも1万7000円をはさんだ攻防戦を繰り広げていますが、どうも1万7000円を超えると都合の悪い向きもかなりいるようで、オプションを含めて上を売る投資家が非常に多い点はかなりきになるところです。
ドル円も同様で、104円を超えますと相変わらず売りに回る個人投資家はかなり多いようで、すべての市場参加者がここから上に上昇するわけではないと見ている点も気になります。
10月は例年株も為替も下落に注意すべき月ですが、今年は以外にもたいした調整もないままにここまで来てしまっており、10月中盤から後半への相場の動きは非常に注意が必要になってきています。
また株式相場もこのような状況ですから、一旦崩れだすと日銀の管理相場も維持できなくなるリスクがかなり高まるため相当な注意が必要になりそうです。
この3年あまりで相場の状況が悪くなると日銀頼みやPKO頼みの市場期待が高まる時間が多かったわけですが、そろそろこうした官製相場頼みの世界も終焉が近づいている印象がかなり強くなりつつあります。
10月は始まったばかりですが、ここから11月にかけてはより一層注意をしながらポジションをとっていることが重要になります。あまり相場の方向性を断定しすぎず柔軟に対応できるように準備をしておきたいと思います。
（この記事を書いた人：今市太郎）
