12日のNYタイムに104円30銭台を上抜けたドル円は、翌日13日の東京タイムでもさらに上伸し104.600円を超えるところまで上昇しましたが、一定の利益確定が出たのか、仲値以降に下落を始めた途端にストップロスを巻き込み103円台中盤まで勢いよく下落する展開となりました。
ただ下値は一応維持されており、ここから再度105円を目指す展開になっても不思議ではない状況で、流れが元に戻るのか104.600円レベルが頂点で、上昇がおしまいになるのかの判断をつけることが必要になってきています。
利益確定売りなのか大きく下げた東京タイム
東京タイムの仲値にむけてはかなりの勢いで上昇したドル円でしたが、10時以降からいきなり崩れ始め11時38分には103.553円まで実に1円以上の下落を演じることとなります。
そもそものドル円の上昇は、米国の10年債利回りの上昇に支援された部分が大きかったことから、105円を乗り越えられるほど大きな材料がでているはずではありませんが、104円にあった大量のオプションも乗り越えていますから、本来であれば上伸してもいい状況にあったことは確かです。
しかし本日の下落はポンド円における「アルゴリズム」の発動すら髣髴とさせる大きな動きとなっており、ここからの戻りもある程度限られる可能性がではじめています。
本日午後11時のNYカットで大量なオプションのエキスパイアリがあることから、NYタイムの午後11時まえに一旦104円台に戻ることが予想されますが、明日以降は「ヘッジファンド」の45日ルールも終焉ということなりますので、このまま105円を乗り越えた動きになるかどうかが非常に気になるところにさしかかってきています。
9月初旬の上げよりは上まで到達はしていますが、誤差範囲であり、ここから107円方向まで上昇するのかどうかはかなり怪しくなってきています。
実際104.600円から上には相当な抵抗帯が残っていることから、かなりの力技にならないかぎり抜けられないのではないかといった見通しがではじめています。順当なのは105円と100円の幅でのレンジ相場ということになりそうです。
いまひとつ材料がはっきりしない相場
米国の大統領選、金利動向、ドイツ銀行問題、原油価格推移など為替の材料となるものは多いものの、どれも並行して動いていることから市場のメインテーマがつかみにくい状況に陥っていることもまた確かです。
あまり事前に断定しすぎるのもリスクをかえって高める要因になりかねませんが、どうも11月初旬まではレンジになる可能性も高そうにみえます。
米国の株式市場は一瞬崩れそうな動きを見せましたが、依然としてレンジの圏内で推移しており、こちらも為替変動への大きなきっかけにはなっていない状況です。
ただ、ポンドの急落や本日のドル円のように東京タイムでありながら、相場が大きく動くことがかなり多くなってきていますので、ひとつひとつのポジションにしっかりストップロスを置いておくことがリスク管理上かなり重要になってきています。
12月の米国利上げはかなり織り込まれはじめた状況
「FOMC」議事録のほうはたいした内容が書かれていませんでしたが、全体のトーンとして12月利上げは引き続き強い想定となっており、市場は相当利上げを織り込みはじめていることがわかります。
つまりここからは「利上げネタ」だけで、ドル円が大きくは上昇しにくそうな動きになってきているともいえます。今週ドル円がどこまで値をあげて週を越すかによって、来週以降の動きがもう少し想定しやすくなりそうですから、方向感が沸かないと思われる方は一両日様子を見るというのもひとつの方法になりそうです。
明確に流れが変わるとすれば明日のNYタイムからその兆候が現れることになると思われ。ドル円の上値追いが難しくなることもはっきりしてくるものと思われます。
(この記事を書いた人:今市太郎)