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長らく日本株を売り越してきた外国人が、10月第1週に日本株を大幅に買い越しました。買い越し額は7,000億円を超えており、日銀の「ETF」買い以外の力強い株価上昇要因があったことになります。
外国人投資家の動きは日本株や為替の水準に大きな影響を与えます。そこで、買い越しに転じた理由や、為替への影響について考えてみましょう。
なぜ買い越しに転じたのか
なぜ外国人投資家は日本株の買い越しに転じたのでしょうか。まず考えられる要因が円安です。
アメリカ大統領選挙において、クリントン氏の優勢が伝えられたことから、1ドル＝104円前後まで円安が進みました。円安が進めば輸出企業が多い日本株にとって追い風となることは言うまでもありませんから、外国人投資家が日本株を買いに来た、というわけです。
ただ、円安は長期間持続するとは限らないこともあり、円安だけで外国人による買いを説明しきることはできません。ほかの要因としては、「相対的に日本株が出遅れている」ことが挙げられます。
例えば、利上げの可能性が高まっているアメリカでは、株価が好調に推移しています。日銀の「ETF」買いによって何とか支えられていた日本株とは大きく異なります。結果として、海外株式は割高になってしまい、出遅れていた日本株へも関心が向けられた、と考えられます。
為替はやや円安傾向
日本株が上昇すれば、円安が進む傾向が見られます。円安が進めば日本株が上がる、という関係性が見られるので、その逆もまた然り、というわけです。
実際、日経平均やTOPIXの上昇を見て円ドル為替レートが変動することはよくありますね。今回の外国人を主体とした買いでも株価は上昇し、円安が進みました。
円安が先か、株価上昇が先かについて細かく考えていくと、鶏が先か、卵が先かの議論になってしまいますが、相互に影響しあっていることは否定できません。
外国人買いが続くと為替はどうなる？
では、外国人による日本株買いが続けば、為替はどうなるのでしょうか。現在の為替レートは1ドル＝104円前後となっています。
イギリスのEU離脱ショックをはじめとするリスク拡大に伴って、相対的に安全とされる円が買われてきたことを考えると、日本株の上昇を見て世界経済が安心度を高め、円安・ドル高がさらに進むことが考えられます。アメリカが利上げをすればさらなるドル高圧力もかかります。
「アベノミクス」によって円安が実現されたものの、再び円高方向に押し戻されてきた為替相場ですが、ここにきて日本株が再上昇すれば、再度の円安が実現する可能性が出てきます。
円安・円高のどちらが良いのかを一概にいうことはできませんが、日本人として日本経済の発展を願うとすれば、現在の為替レートよりも円安が進むことを期待しています。
大規模な補正予算を組んで景気対策を行うなど、「アベノミクス」は重要な局面にありますから、外国人買いも味方につけながら、日本経済が上昇してほしいと思います。
日本株以外への投資でも外国人動向には要注意
投資においては、日本人よりも外国人の参加が多いです。人口を考えると当然ですね。
そのため、日本株に限らず、投資をする際には外国人の動向に注意を払う必要があります。FX取引で言えば、日本の日中（東京市場）が落ち着いていたとしても、外国人主体のニューヨーク市場で相場が大きく動く、といったケースがあります。
24時間相場に張り付いている必要はありませんが、日本国内の動向に集中しすぎるあまり、外国人の動向を見落とさないように気を付けたいものです。
ここで取り上げた外国人による日本株買いについては、週次ベースで買い越し/売り越しの額をチェックしておきましょう。今後も買い越しが続くのか、その金額はどう変化するのかを確認し、米利上げや大統領選といったその他の要因と組み合わせながら相場を予測していきたいものですね。
