米国大統領選は「あと4日」というかなりクリティカルな時間帯にさしかかってきています。
このコラムでもご紹介したヒラリークリントンの右腕である「フーマ・アベディン」は行方不明でどこにいるかわからず、FBIの捜査はエスカレートしてなにかと問題の多いクリントン財団までターゲットになる始末です。
ヒラリーが難を逃れてなんとか選挙に勝ったとしても、いきなり始まる前からレイムダック状態で果たして政権として成立するのかという危惧の声も聞かれ始めています。
また選挙後就任の前に逮捕されたら一体どうするのかという疑問には誰も答えられない状況で、トランプ勝利なら株、為替、債券の同時下落は決定的でしょうが、クリントン勝利でもたいして戻らないで相場が下落に転じる可能性もでてきているところです。
こればかりはいくら詮索してみてもなんら解決がつかないところにきてしまっていますが、そんな中でひとつ驚くべき大統領選のキルスイッチが存在することがわかってきています。それが「国家安全保障大統領令第51号」の発動なのです。
国家安全保障大統領令第51号とは?
この手の内容となると典型的な陰謀論のブログサイトに登場するものなので、特別相場を予言しているわけではありませんから、まあそんなこともあるという程度に理解していただきたいのですが、ブッシュ時代に法制化されたのがこの「大統領令51条」と呼ばれるものです。
この大統領令が発動された場合には期限切れのはずの、オバマに無制限の検眼が与えられ、どうやら大統領を継続できることになりそうなのです。
もちろん2001年のWTCビルの爆破事件のようなとてつもないことが起きないとこれは履行されないものでしょうが、アルカイダとも繋がっているという恐ろしい話も飛び出す「フーマ・アベディン」がひとたび救済のためのコールボタンを押せば、いきなりテロが米国内で起きて大統領選挙一旦中止とか棚上げといったこともないわえではないというわけです。
つまり断末魔になると誰も選ばないで当面ペンディングということがテクニカル的にできるということは覚えておきたいところです。
冷静に考えてもヒラリーとトランプというのはダメ争い以外のなにものでもありませんから、演出の仕方次第では仕切りなおしも考えられるようなのです。
トランプは敗退すれば即訴訟か
今のヒラリー騒ぎでどこまでトランプが巻き返すのかは良くわかりませんが、仮に僅差で負けた場合には当然のように裁判に打ってでることは間違いないようなので、まずこうしたアクティビティが飛び出すだけでも「リスクオフ」全開になりそうで、クリントン勝利イコールドル円上昇と単純に考えるのはかなり危なそうです。
時を同じくして風前の灯の韓国の大統領のほうは不逮捕特権がしっかり備わっているようですが、米国はかならずしもそうではないようで、ニクソンもウォーターゲートで任期途上で辞任していますから、クリントン大統領就任前に逮捕などというとんでもない事態もまだ十分にありえそうなのです。
つまり、9日の東京タイムになんらかの結果がでてもそこから先にいろいろと動きが加算されるリスクを十分に考えて、利益がでたらすぐにリカクするぐらいの臆病な売買を行うか大勢が判明して次なる動きが明確になるまでは、さらに様子をみたほうがいいのかも知れません。
FX業者もカバー先の関係からまともなスプレッドを出さなくなる可能性がありますので、慌てる必要はないかもしれません。足元では大統領選挙が相場のすべてのように見えますが、日が沈んでも昇ってもその先にまた相場は続いていくことになります。
迂闊に参入してむやみに資金だけを失うことはぜひ避けるようにしたいものです。この数年の中のディールでは今回の米国大統領選挙はこれまでにないかなり危険なものになりそうで、確証が持てるところまで待ってみるのはかなり得策になりそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)