週末NYダウがかなり下落し、いよいよ米国大統領選挙の結果を市場が折込はじめています。
市場では様々な読みや「アノマリー」の話などが登場し、若干混乱気味の状況になってはいますが、結果が決まらずに膠着するといった異常事態にならないかぎりは大統領決定当時は大きな上下動を繰り返す可能性がありますが、新大統領のもとですぐに新たな政策が履行されるわけではありませんから、比較的短期間で相場は落ち着きを取り戻すことも考えられます。
ファンド勢はトランプ政権にも大きなリスクを感じていない
なかなか興味深いのは巷の市場では「トランプリスク」ということで相場のポジションのまき戻しがしきりに行われているようですが、トランプ大統領となった場合には、具体的にどの政策が本当に履行されるのかよくわからないものの、彼の本業の事業に差し障りがでるような高金利政策をとったりすることはないとの見方が強いため、財政出動に低金利が継続するという観測がつよく、結果を受けて大きく売り込まれても比較的早く立ち直る可能性を指摘する声が強まっています。
ただ、大統領選自体にこれだけのリスクが登場したのは事実上はじめてのことですから、下落が収まるのを十分に待ってから次の相場のテーマに沿った売買をするほうが得策になるのかも知れません。
ドル円に関していいますと引き続き「ヘッドアンドショルダー」の右肩を生成する時間がかかる可能性がありますので、大きく下落してから戻せばそこからはまたしてもレンジ相場ということも十分に考えられそうです。
リスクを冒して慌てて売買してみたものの、たいした利益にならなかったという期待はずれも一応は覚悟しておいたほうがよさそうです。
ヒラリーリスクはFBIの捜査次第
現時点では、先行きがまったくよくわからないがヒラリー勝利になった場合で、選挙結果ですべてが解決のつく状況にはならないことから、当初考えられたいたようなヒラリー勝利で相場上昇というほど話は簡単にならない展開になることも想定しておかなくてはなりません。
よもやそんなことはないとは思いますが、週明けにFBIがなにかを発表するようなことがありますと、選挙直前にさらに冷や水を浴びせられることになりますから、ここからは無理してポジションを持たずに9日の決着がついてからおもむろに次のことを考えるのが得策に見えます。
大統領選結果は9日朝8時からスタート
ところで大統領選の開票は、日本時間の朝8時から東部地域より徐々に西に向かって開票作業になりますから結果が早くでれば東京タイムの中である程度の動向がはっきりすることになるものと思われます。
ただ、できればロンドン勢、NY勢の場が一巡してから次なるポジションを考えたほうがよさそうで、迂闊に早めの参入をすると思わぬ反対売買に巻き込まれるリスクもありそうです。
やはり米国の問題ですから米国市場の反応をみてから次のことを考えるのが得策です。「BREXIT」は結果がでて一巻の終わりとなりましたから、比較的わかりやすい相場の動きになりましたが、今回の大統領選の場合ゆり戻しがある危険性はかなり高く、選挙後の大きな余震にやられて怪我をするようなことのないように伸張に相場に入っていきたいものです。
とくにトランプのほうはもともと政治家ではありませんから、政治生命の部分で失うものがなにもないだけにこれまでの大統領候補とはまったく異なるリアクションをとってきて騒ぎを大きくすることが考えられます。
またヒラリークリントンは自ら自爆しかねない問題を抱えていますので、なにもしなくても自分で消え去ってしまう爆弾を持っている点が非常に気になります。全てのプレーヤーの動きが一巡してから次なる手を考えるのでも今回に関しては遅くなさそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)