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週明けの外為市場は静かなスタートとなっています。とんでもない無理難題が飛び出す可能性もあっただけに若干拍子抜けの感も否めませんが、大きなイベントを終えてリスク回避からドル円を売っていた向きも今週は一定の買戻しを掛けてくることが予想されるため114円台に乗せれば115円に近いところまで戻る可能性がありそうです。
ただ、一定の買戻しが進めばまた沈み込むことが容易に予想されますので、多少の上昇があったからといって相場が積極的な買いに転じると理解してしまうと間違いになるリスクもあり、112円から115円までの幅でのレンジ相場が続くと想定しておくのが今のところは無難な見方になりそうです。
本来ここから4月までは下げにくい相場の時期
昨年あたりから毎年の相場の「アノマリー」がうまく機能しなくなってきていますが、本来は企業決算など実需の動きも伴ってこの時期から4月初旬までは相場は下げにくく、むしろ上昇しやすくなるのが過去のケースから見えてきます。
昨年の場合はかなり特殊で、1月29日に日銀がまさかの「マイナス金利」を実施したことから相場は一旦上昇した後に急激な下落をはじめてしまい、建国記念日でお休みだった2月11日の金曜日にいきなり110.950円にまで売り込まれてしまうという事態になったのは記憶に新しいところです。
しかしこの底値は4月までは維持されることとなり、大きく上がるといった動きではありませんでしたが、115円台手前と111円割れのあたりを行き来する動きが続くこととなりました。
昨年のこの時期は米国が利上げを行った結果世界的に株価が低迷した時期でもありましたので相場が大きく上昇することはないまま桜が咲くころを迎えてしまいました。
今年はそうした大きなリスクは示現してきておらず、トランプの減税期待からここ数週間は米国株価も堅調に推移することが予想されますので、大きく崩れるリスクは現時点では減少しそうです。
為替相場に影響をもっとも及ぼす主体はなんといっても実需ですからその動きを常に見ておく必要がありますが、年度末に向けては円転によるレパトリエーションも出やすい時期になりますので、レンジを突き抜けた上昇もしにくいのが特徴となります。FX取引の視点で見ますとこのレンジ相場というのがもっとも売買しやすいもので、一方に動いてしまうリスクが低いことから実は利益を出しやすい時期になるといえます。
今年は米国次第の相場
4月以降はいよいよ欧州の選挙シーズンに突入することからユーロ主体の相場へとシフトしそうですが、選挙関連のリスクはもともと可視化されていることから何が起これば相場がどうなるか想定しやすいものでもありますので、ここから当該各国の政治状況を具に見ていく必要があります。
ただそれまでは米国の政策、「FRB」の金利政策のほうが相場を動かす材料になりそうで、米国関連で大きなリスクとなるのは対中国の通商ディールの決着のつけ方も注目されるところです。
ここのところ市場の注目点からなぜか大きく外れている中国ですが、外貨準備は確実に減少してきており、経済と為替をめぐって米中が激しくやりあうことなると中国側が持ち出してくる反撃策が相場下落の大きな材料になる危険性がありこのあたりも目が離せないものとなります。
6月以降は不透明感が高いのでとにかく稼ぐなら年前半がお勧め
トランプの政策に対する市場の反応としては依然投機筋と個人投資家主体の動きしかでてきておらず、機関投資家筋が明確に投資に動くところまでにはなっていないところが気になります。
今年は6月以降は米国の利上げ観測も含めて相場がどうなるかはかなり不透明感が増すことが予想されるため、できるだけ年の前半で利益を積み上げる努力をしたほうがよさそうな状況です。
（この記事を書いた人：今市太郎）
