先週の「雇用統計」の発表で、ほぼ今週の「FOMC」にて利上げされることになると思います。予定よりも早い利上げになるのですが、今後は「イエレン議長」が、フォワードガイダンスを出したとしても、次回の利上げは相当、予測しづらくなると思います。
ただ、「イエレン議長」はサプライズなどの派手な演出は好まないので、今回のように事前にアナウンスメントする可能性は高いと思います。今回は、アメリカ経済はバブルであるという話しをしていきます。
アメリカ経済がバブルの訳
アメリカ経済は、ドル高、金利高、株高のトリプル高に見舞われています。通常、株高というのは通貨安から派生するものです。日本の金融緩和によって通貨安の結果、日本株の上昇につながったのと一緒のことです。つまりドル高とアメリカ株式高というのは一緒には通常起こりえないことなのです。
そして通常は金利高であれば株安になるのです。だれもがリスクのある株式で投資をしたくないものですから、金利が高いのであれば債券で運用するのは普通のことです。
ですから、債券の金利が高いと株式は下がるのが通常の経済ですが、アメリカは今週、ほぼ利上げが確実なのに、そして先週、30年物国債金利が急上昇しているのにも関わらず、株は確りな状態です。
こういった現象は通常の経済ではありえない現象なのですが、実はこういった現象が起こるのは以前にもあるのです。
ドットコムバブルの初期と全く同じ状況
この状況は、レーガン、クリントンの好景気を受けて、景気が下押しした後のドットコムバブルの初期と一緒の状況です。
ドル高、株高、金利高という状況が続き、私もこのどこかが崩壊するだろうと高をくくっていたのですが、この状況があの悲しい9.11まで続いたのです。あとからみると1990年代後半から2000年代までのことをドットコムバブルと呼んだのです。
バブルの渦中にいるときはその渦中の人たちはそのことに気づかないという典型になります。そして、9.11の後にまたアメリカ、ヨーロッパに不動産バブルが起こり、そしてそれが「リーマンショック」で幕を閉じることの繰り返しになります。
このときも初期はドル高、株高、金利高になります。この終幕はアメリカの景気が下押ししているのに、無視して株式市場を筆頭に株価が上昇したから、崩壊もすごいことになっただけの話です。
今回のバブルのすごさ!
となると史上最大規模の緩和した日本、ヨーロッパの資金はどこにいくかといえば、明白な話しで、アメリカしかありません。今もアメリカの株価は史上最高値を更新していますが、どこまでいくのであろうか、という話です。間違いなくアメリカはものすごいバブルになるでしょう。
ドルはどうなるか?
過去二回の利上げはドル安に触れました。今回は経済状況が違いますので、バブルというのは「ファンダメンタルズ」を無視してマーケットが動くことになります。つまり通常、円高に行かないといけないものが、円安に行く可能性も秘めているのです。
個人的には、具体的なヒントは先週の木曜日、「雇用統計」発表前に急落した商品市場です。ドル高ですから急落は当然なのですが、すぐに買われたらバブルの可能性あり、ダラダラ売られたらまだ、バブルは早いと判断し、円高方向に考えようと思います。
(この記事を書いた人:角野 實)