いよいよ14日から17日までは欧州とアジア圏の一部の国でイースターで土日を含めて4連休ということになります。
米国はあまり関係ありませんが、ロンドン勢やアジアオセアニア勢の一部が取引をお休みしますので、金曜日はかなりの薄商いになりそうで、ポジションを持つのは相当注意が必要になりそうです。
市場参加者が少ないだけにちょっとまとまった売りや買いが出ただけでも相場が突出することがありえるため、日ごろ以上に気をつけて売買することを迫られることになりそうです。
北朝鮮情勢はかなり不透明
北朝鮮サイドは米国や周辺国を挑発するような発言を始めておりますし、米軍の空母が周辺海域に結集しはじめていますから、いつ軍事行動が起きてもまったく不思議ではない状況が整い始めています。
ただ、大陸間弾道弾ミサイルを撃てば取り返しのつかないことになりそうな気配濃厚ではありますが、核実験をした場合に本当に米国が壊滅的な攻撃を行うことになるのかどうかは不透明なところもあります。
中国が間に入ってなんらかの対話を実施する可能性がでた場合には、軍事行動がペンディングとなることも想定されるだけに、どちらか一方向の結果だけを想定してポジションを週末キープし続けるのは相当な危険性を伴うことになりそうです。
できることならばこの週末は無理をせずノーポジションで無難にすごすことがお勧めになりそうです。
米国の攻撃内容と北朝鮮の応戦の内容が大きな問題
この北朝鮮の「地政学リスク」は非常に不安感だけを高めることになっていますが、実際のところ、いつ攻撃がされるのかも、どのような攻撃になるのかもわかっていませんし、北朝鮮が反撃に出るのか、あるいは実際に戦闘になった場合、韓国がどうなるのかもまったくわからない状態ですから、迂闊にリスクオフだから円高と決め付けてしまった場合には、想定外の問題が起きたときに非常に大きな損失を被ることになるためかなり危険といえます。
韓国ウォンとの関係でいいますとウォン安が円高に寄与する可能性も高く、どれだけの影響がでるかは不透明です。一度で10円近い下落の可能性があるといったことがある程度最初から見込まれているのであれば、ストップロスをおいてでもチャレンジする甲斐もありそうですが、何が起きようとしているのかがまったく掌握できない中での思い込み売買は控えておいたほうがよさそうな状況といえます。
また特に週明けの17日もイースターの継続で多くの国がお休みですから、単に越週ということ以上にリスクが高まることになる点も気をつけなくてはなりません。
また戦闘のリスクは必ずしも今週末だけに集中しているわけではないところも気になります。4月27日が新月であることから攻撃がしやすいといった情報もでてきており、まだまだリスクは今月後半に向けて継続している点も見逃すことは出来ません。
日本政府がもはや円高に何も言わないのも気になるところ
非常に気になりますのは、ドル円が短時間に非常に円高に振れてきているにも係わらず日本政府はほとんどそのレベルに関して何もコメントを出さないことで、さすがにトランプ政権下では円高に対して金融当局が「口先介入」的な発言ができなくなっていることも考えられます。
大きくドル円が下落した場合でも実際の介入も「口先介入」すらもないとなりますと、一旦下落したドル円相場は想像以上に大きく下落するリスクがでてくることになり、このあたりも気になるところです。
北朝鮮が張子のトラで米国の攻撃を受けて一気に沈静化する事態になれば大きく買い戻しになることも容易に想定されますが、その場合でも米国政府からドル高にけん制球が投げ込まれる可能性は十分に考えられ、今回のこの地政学リスク問題は相当やりにくいところにさしかかってきていることがわかります。
できることならば結果がはっきりわかったところで相場の動きをみながらエントリーしていくことが、結局確実な利益機会の獲得になりそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)