右翼と左翼候補の激突の可能性も危惧されたフランスの大統領選挙ですが、24日の早朝に発表された第一回の選挙では「マクロン」と「ルペン」が勝ち残るという大方の予想通りの状況になり、しかもマクロンの得票率が高かったことから過度なリスク回避は免れる状況になってきています。
週明けオセアニアタイムのドル円はこれを受けて一旦110.620円程度まで上昇したようですが、国内のFX業者の取引がスタートする前の話であることから、朝6時すぎに取引が開始できた業者では110.300円レベルがせいぜいの高値であり、リスク回避といっても111円には遠く及ばない状況が続いています。
この選挙は2週間後にいよいよ決戦投票となりますが、それまでは追加の情報もでてくるわけではありませんから、一旦はフランス大統領選のネタも終了ということで新たな材料がでない限りさらなる上昇は期待できないところにきています。
むしろ1円以上開いた窓が今週、この先に埋まることになるのかどうかも注目されるところです。
市場の注目は25日の北朝鮮の動向へ
北朝鮮は25日、朝鮮人民軍創建85周年を迎えることからいよいよ核実験を行うのではないかとの憶測が強まっており、さらに軍創建日前後に新たな挑発行動に出る可能性もあるとされており、引き続きリスクを意識せざるを得ない状況が続いています。
ただ為替相場では「北朝鮮リスク」に対してかなり飽きが着ていることも事実で、危ない危ないといいながら総理大臣から防衛大事まで外遊にでかける安倍政権の動きから感がると本当に何か起きるのか?という疑問も沸いてくる状況です。
こればかりはいくら推測してもなんら解決がつきませんので、とにかくドル円でロングをもっていたらしっかりストップロスを入れておくぐらいの自衛手段しか取れないのが実情です。
北朝鮮については、5月9日の韓国大統領選挙のあたりまでは何が起きてもおかしくないため一定以上の注意が必要になりますが、既に北朝鮮起因で相場が下落するのは日本だけになりつつありますので、なんともそのテンションを維持するのがむずかしくなってきているともいえます。
こうした北朝鮮の暴発は忘れたころにやってくるので、とにかく気を抜かずに対応するしか方法はなさそうです。
米国では26日に新税制案の発表も
米国のトランプ大統領は26日に新税制について発表する旨を事前に告知しはじめていますが、減税の原資がまったく確保できない状況下で、政策を細かく詰めていく実務スタッフがほとんどいないと思われるトランプ政権で、この短期間に大きく巻き返しを図れるような減税プランを本当に打ち出すことができるのかどうかにも注目が集まり始めています。
ムニューシン財務長官は、既にトランプ政権の税制改革案が従来の静的予算分析ルールから見ると短期的な問題をもたらす可能性があることも示唆しており、内容次第では大きな失望売りがでるリスクも考えておかなくてはならない状況のようで、フランス大統領選挙よりも大きな相場の動きになることも考える必要がありそうです。
国内では早いもので既に今週末からゴールデンウィーク入りすることもあり、株も為替も手仕舞いになる動きが示現しそうですが、どうもここからどんどんリスクオフで買いあがる相場が戻ってくるとは言えず、現状では大きくは下がらないのでしょうが上昇もほとんど期待できない相場状況が継続しそうです。
どうも今週も相場はあまりメリハリのないはっきりしない動きとなりそうですが、少なくともドル円に関する限りは上昇する材料が非常に乏しくなっていますので、一定の戻りがあった場合にはしっかり売りから対応して、少しでも利益を確保していくように心がけたいところです。
(この記事を書いた人:今市太郎)