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ドル円があれよあれよという間に上昇してとうとう111円に乗ってしまう展開となりました。冷静に考えて見えてみて、ここまで買いあがらなくてはならない理由があるのか？
と不思議に思われる方も多いと思いますが、実はこうした動きには市場参加者の特別な動きが関係していることがその理由のほとんどで、こうなってしまうと簡単には下がらない状況が継続することになります。今回はそうした局面が発生する理由についてご説明しておきたいと思います。
ショートの損切りと新たな戻り売りがおりなすじり高相場
25日からのドル円相場を1時間足でみますと、24日早朝にギャップアップがあった部分を多少埋め戻す動きはでたものの東京タイムからはほとんどじりじりと上昇を繰り返す動きになっていることがわかります。
1時間足というのはかなりデフォルメされた動きですから、より細かい5分足のドル円の動きで見ていきますと、午前中に北朝鮮からなんらかの行動があるのではないかとされたものが何も起こらなかったことを受けて相場に買い戻しが入り始めました。
この段階でストップロスも少しずつつきはじめたものと思われますが、24日の早朝につけた111.620円をつけたNYタイムあたりから今度は上昇すると戻り売りする輩が集まりはじめ、下がらなくなり、111円台にのせたところでさらにストップをつけて、深夜の3時過ぎには111.191円まで吹き上がる典型的な「ショートカバー」になってしまったことがわかります。
こうした「ショートカバー」には本邦個人投資家のやれやれ売りもかなり出ていることでしょうし、逆に高値での逆張りも登場してストップロスをおかずに今度は我慢して売り持ちしている向きはちょっと下がるとすぐにリカクしてくることから110円台に入ってもまた短時間で持ち上げられてしまう相場展開が続くことになるわけです。
このような動きはNYタイムなどにはよく見られるものですが、一気に吹いて戻るのではなくじり高で推移して高値に到達する場合、とくにドル円の場合は典型的な動きといえるものです。
こうなると簡単には下がらなくなりますので、一旦戻り売りのことは忘れて買いから入ることが利益を確保しやすくなります。
ただもちろん永遠に上昇するわけではありませんからピークがどこになるのかは常に意識しておく必要があります。足元では112円にさしかかるあたりに一目均衡表の雲の下限がありますから、そのあたりまでさしかかるとさすがにこうした動きも終焉する可能性がでてくることになります。
逆張り好きの本邦個人投資家が絡むからこそ示現する動き
こうしたドル円の動きはポンドやユーロがどんどん順張りで動いてしまうのとはかなり別で、逆張り大好きで損切りはほとんどしない本邦の個人投資家が多く売買するからこそ見ることができる特殊相場ということができます。
投機筋やインターバンクは確実に損切りをしてきますので、相場が上昇するとショートカバーがでるのは間違いありませんが、ここ1ヶ月ぐらいは110円をはさんだ展開からコストが110円台後半となるような形で大量に買いポジションを寝かせたいた個人投資家が多くいたはずで、今度は逆に戻りを売りから入るようになってきていることから高値がつくとまったく下がりにくくなる状況が続くことになります。
ただ、今週末からゴールデンウイークに入るタイミングですから一定の手仕舞いも発生することになりますので、あまり調子にのった売買はせずに適当に利益が出たところで確実に反対売買をしておしまいにしておくことも重要になります。
為替の世界では不思議に見えることにも必ず理由が隠されていることがほとんどです。その仕組みを理解すると儲けをさらにとりやすくなるというわけです。
特に国内個人投資家が集まりやすいドル円は同じようなことを考えている個人投資家の売買が一定の動きを示現しやすくなるという特徴があることだけは覚えておきたいものです。
（この記事を書いた人：今市太郎）
