韓国軍合同参謀本部が、北朝鮮は14日早朝、北西部の亀城(クソン)から弾道ミサイル1発を発射したとの内容を発表しています。
またまた休みにやらかしてくれるのはFXの個人投資家にとってははなはだ迷惑な話ですが、日本政府が危機感を煽るのとは裏腹に金融市場ではそれほどの危機的状況が醸成されているわけではなく、週明けにどのぐらい相場への影響があるのかが注目される状況となってきています。
欧米の投資家は本当に北朝鮮リスクを真剣に考えているのか?
国内のメディアは北朝鮮がなにかやらかしますと、その報道一辺倒になり大騒ぎとなるのはご案内のとおりですが、どうも海外のメディアや投資家の行動を見ていますと、日本国内とはそれなりに温度差があり、みなどこまで真剣に北朝鮮のリスクを意識しているのかどうもクビを傾げたくなる状況です。
もちろん本格的な被害が出れば大変な「リスクオフ」になることは間違いありませんが、今のところ核実験を含めた北朝鮮報道が出ますと、まず「アルゴリズム」が反応して円が器械的に買われる状況になっており、日本が本当に「地政学的リスク」に巻き込まれた場合にさらに円高になるのかどうかは依然として検証できないままの状況です。
安倍政権は異常に危機感を煽ってうまく使っているだけか?
どうも気になるのは安倍政権は首相自身を含めて北朝鮮がなにかすると非常にその内容を増幅して国民に伝えようとしている印象が強く、なぜそんなにリスクがあるならみな主要閣僚が外遊しようとするのかなど、なんとも釈然としない状況が続いています。
また米国も先制攻撃をするかのような過剰な報道がなされましたが、どうも実態はそんな雰囲気ではなさそうで、北朝鮮リスク報道がでても日本の株価が下落するものの、韓国の株式市場には影響なしなどと不可解でばらついた国ごとの状況が非常に気になります。
まずは週明けのオセアニア市場の動向に注目
本来土日に地政学リスクが起きれば週明けの相場は窓空けから始まることが予想されますが、果たしてこの月曜日にどれだけのインパクトが為替相場にもたらされるかがが注目されます。
前回の英国の報道から北朝鮮がまだ核実験の実施に意欲的であるというヘッドラインが市場を踊った際も下落はドル円で60銭程度で、ほどなくして戻る相場になっていますから、考え方によってはいい押し目買いのポイントと捉えることもできるわけです。
もちろん本当に決定的なリスクが顕在化してくればドル円が大きく売られることもあるでしょうし、逆に日本の本土でのリスク、とくに東京でなにか壊滅的なことが起きた場合には円が売られるということも視野に入れておかなくてはならず、足元の相場の動きが本当に地政学リスクを意識しているのかどうかはもうひとつはっきりしない状況といえます。
安易な断定は禁物でありますが、たとえば112円台までドル円が下落した場合にはストップをおいてしっかり買いを入れてみるのもひとつの方法ではないかと思われます。
決定的なリスクが浮上するのは北が韓国になだれ込んできた場合や米国が北に報復攻撃を本当に仕掛けたときで、戦争状態が勃発した場合にはあまり軽くみないほうがよさそうだといえます。
ただ、現状のミサイルらしきものが発射されては海に落ちるというものの繰り返しだけでは、いよいよ相場も大きく動かなくなってきているのではないかと思います。
欧米の投機筋はこうした機会を利用してドル円を売り込んでくるという可能性も否定はできませんが、北朝鮮起因のリスクだけでは相場を大きく引き下げられなくなってきているのもまた事実であり、冷静の相場の流れをみながら買いで入れるかどうかを判断したいところです。
(この記事を書いた人:今市太郎)