読み込み中...
英国は総選挙に向けてメイ首相の保守党がリードしているはずでしたが、直近の世論調査で与野党の支持率がまさかの拮抗状態にまで接近したことを受けて先週末大きく売られる結果となりました。
突然どうしてここまで差が縮小してしまったのかいまひとつその理由がピンと来ませんが、この先6月8日の選挙の結果がまたしてもキーポイントになりそうで、なんとも嫌な予感がしてきますが、辛うじて保守党が勝ったとしても「Sell the fact」となる可能性も高く、ポンド円の下落に巻き込まれてドル円が110円を割るような大きな動きになるリスクを考えおかなくてはならない状況になりそうです。
週足ではすでに大きな下落
ポンドドルで見ますと週足では既に年初来最大の下げを示現しており、この動きがどこまで強まるのかが気になるところです。本邦個人投資家が多く手がけている「ポンド円」も下げを加速しており、こちらもどこまで下げるのかがきになります。
足元ではドル円はほとんど方向感がなく、主体的に動きがでそうな気配がないだけにポンド円のようなクロス円が下落を加速させることになれば当然ドル円も下押しを余儀なくされることになり、ユーロも一時的に上昇スピードが落ちて調整しようとしているためドル円がそれに巻き込まれてあっさり110円を割る可能性も否定できない状況になっています。
ポンドに巻き込まれて下落というのもなんともピンとこない動きですが、これが現実になるリスクも高まっていることから相当注意をして売買をする必要がありそうです。
6月相場は材料は見えているもののいまひとつはっきりしない
いよいよ今週から6月相場に入りますが、英国の総選挙、その後の「米国FOMC」など材料はかなり見えているものの、相場は大きく動く気配がなく、米国の金利が停滞してしまっているのでドル円はほとんど動かない状況が続いています。
こうした中では周辺のクロス円通貨からの影響が予想以上に大きくなることも考えられ、まずは6月8日に警戒が必要になりそうです。昨年の「BREXIT」騒動でもポンドにひどい目にあわされてきていますから、とにかく選挙の結果は事前に断定せずにすべてが決まったところから動きはじめても十分に利益機会を獲得できそうな状況です。
6月8日は平日であり翌日には開票結果がでるものと思われますが、またしても東京タイムが狙われる形でその結果の影響を受けることになるだけに相当な注意が必要になりそうです。
まさかとは思いますが大波乱は保守党が負けるような事態に陥ることで、あまり考えたくはないですが、6月に相場がまたまた英国起因で暴落などということになりかねない状況が危惧されます。
ドル円については5月18日に110.240円をつけて以来これを下回る動きにはなっていませんが、ポンドが原因で下押しした場合にはフランスの大統領選挙の第一回目投票で窓開けした部分を埋めにいく可能性もでてきますので、少なくとも109円台中盤までは下落することを覚悟しておく必要がありそうです。
また、今週はコミー前FBI長官のなんらかの議会証言や政権発足早々クビになったフリン氏の議会での発言が飛び出すことも考えられ、今のところ日程などはまったくはっきりしませんが、思わぬ円高が示現することも覚悟しておく必要がありそうで、意外にリスク満載の6月になりそうです。
とにかく、できるだけ短い時間足で売買をしてあまり長くポジションを持ち続けないことが重要になりますし、ドル円をロングにするような場合には必ずストップロスをおくようにして不意な動きに巻き込まれて損失を被らないリスク対策を講じることが重要になります。
6月はまだ先行きに大きな利益を獲得できそうなイベントが待ち構えていますので、序盤で意味もなく証拠金を失うようなことのないように十分に気をつけながら取引を行っていきたいものです。
（この記事を書いた人：今市太郎）
