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ここのところすっかりご無沙汰になっていたギリシャの債務問題ですが、また7月に期限を迎える75億ユーロの債務返済の資金を確保する必要があるものの、どこからも融資を受けられる見込みが立っていないため、またしても「デフォルト」の危機が高まっているということでユーロは売られ、ユーロ円も当然下落してことからそのあおりを食ってドル円も110円台に沈みこむ状況となっています。
「BREXIT」も現実のものとなった今、ギリシャの問題がどれほどEUにとって重要な案件なのかはよくわからなくなりつつありますが、債務をいくら減免しても新たな資金を貸し付けてもまったく返済能力の高まらないこの国をどこまでユーロ圏がここから助けに入るのかが急目されるところです。
とくにドイツの動きが注目されており、今回ばかりはあっさり「デフォルト」からユーロ離脱というまさかの展開が起こる可能性もではじめています。
デフォルトは二度と起こさないはずがまた同じ話の繰り返し
ギリシャ国債は5年前の瀕死の状況からはかなり改善された取引をしてきたわけですが、またここへ来て「デフォルト危機」に直面することとなっており、早い話がEUがどこまでこの国を助けるか次第の状況となっています。
新たなギリシャ国債の最初の返済が7月17日に予定される中で、ギリシャと公的債権者を代表する欧州連合、国際通貨基金の話し合いは紛糾していることから、国債価格がまたしても下落の一途を辿り、ようやく為替市場でもこのリスク問題が顕在化してきている状況です。
ギリシャのクレジット・デフォルト・スワップ（CDS）のプレミアムも急騰し、今後5年間の「デフォルト」発生確率を50％近くと示す水準にまで跳ね上がっており、急に騒ぎは大きくなりつつあります。
確かにこの7月ギリシャが「デフォルト」を起こせばそれなりの「リスクオフ」にはなるものと思われますが、5年前のソブリンリスクの大騒ぎに比べればかなり限定的な話になっていることは間違いなく、果たして為替でどこまでの影響がでるのかについてはよくわからない部分も多くなっています。
直近ではドイツは「IMF」の関与が必要不可欠としており、ショイブレ財務相は、「IMF」が手を引くようならギリシャの離脱に賛成するとまでメディアインタビューで答えているほど冷たい反応を見せていますから、今回本当に「デフォルト」によりEU離脱が決定してしまう可能性もあるといえそうです。
ただ、ここでギリシャが離脱すれば為替の世界だけでいいますとEUが大きく買い戻される可能性も高くなり、ギリシャデフォルトイコールユーロの大暴落とはならない状況が考えられます。
同じことがおきても時代と世界情勢が変化するとこれだけ金融市場の反応が異なるという点は驚かされますが、果たして7月にむけてこのギリシャ問題がメジャーイシューとして取り上げられることになるのかどうかが注目されます。
為替相場はヘッドラインニュースにまず「アルゴリズム」が対応して値が動くのがほとんどであるため、ギリシャ問題もそれなりに相場にはネガティブな動きがでていますが、ここからさらに大きな問題として売りの材料になるのかどうかはじっくり見極める必要がありそうです。
それよりもむしろ6月8日の英国総選挙や翌週の「米国FOMC」といった大きなイベントのほうがより市場に影響を与えることになりそうですので、ギリシャを巡ってさらに大きな動きがでるとすれば6月15日を越えたところからになりそうな気配です。当面このネタで押したところは絶好の買い場になることも含めて冷静に相場状況をみまもっていくことが必要になりそうです。
（この記事を書いた人：今市太郎）
