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米国のメディア報道によれば、コミー前FBI長官が6月8日の上院情報委員会に出席しフリン前大統領補佐官（国家安全保障担当）とロシアとの関係を巡る捜査を打ち切るよう、トランプ大統領から圧力を受けたとの報道などについて証言することが正式に決定したようです。
当初のスケジュールからするとかなり遅れた状況ですが、今回はこの上院情報委員会が正式に発表していますのでどうやら間違いのない日程となったようです。
ただ、この6月8日は他にも様々な重要イベントが控えていることから、かなり相場が荒れることが予想され、「ハイボラティリティ」の特異日になりそうな状況です。
まずはECB理事会開催
「ECB」がこの6月8日理事会で「金融緩和」解除にむけて文言の変更を検討していることが関係筋の話から明らかになっており、具体的な話が飛び出せばユーロが跳ね上がる大きな材料となりそうです。
次回の理事会だけで具体的なプランが策定される段階にはないと思われますが、理事会後の「ドラギ」会見でも相当相場が動くことが予想されるため注意が必要になります。
ユーロ中心の動きとなればドル円はユーロ円に引きずられて上昇することが考えられますが、コミー前長官の議会証言が午後になるとすれば上げたドル円は大きく下落することが予想され、この順番がどちらになるかでもかなり相場の動きに変化が現れそうです。
そもそも議会証言の前に噂で売られることが十分に考えられますから、ユーロはいずれにしても強含むことが予想されますが、ドル円が果たしてどういう動きになるかにはかなり注意が必要になります。
そして英国総選挙
この6月8日は英国の総選挙が予定されており、結果が判明するのがまたしても翌日の東京タイムからということになることから引き続き9日にかけて相場の乱高下が予想されます。
昨年の「BREXIT」でほとんどの世論調査が全くあたらなかった、いわば前科モノの調査会社が繰り出してくる事前調査の結果ですから何が本当かさっぱり判りませんが、それでも事前段階で保守党敗北などがヘッドラインに踊ることになれば為替相場への影響は必至の状況で、昨年に引き続きこの6月はポンドに相場を席捲されそうな気配です。
現段階でも世論調査の結果がぶれ始めていますから保守党勝利間違いなしで蓋を開いてみたら敗北というのが一番困りますが、昨年の「BREXIT」騒動を見ていますと、これも十分可能性がありそうな話しです。
この3つのイベントネタをよくよく考えて見ますと、「ECB理事会」についてはドル円が上昇する可能性を残していますが、コミー証言と英国総選挙のまさかの事態はどちらもドル円が円高に振れる可能性を秘めていますので、順番次第では上下にかなりのボラティリティが出る相場展開になってしまいそうです。
もともとリスク回避からドル円が売られる展開が継続すれば、何が起ころうともドル円は円高方向に動きっぱなしということも考えられますので、あまり事前に想定しすぎずに相場の実際の動きをしっかり見据える柔軟性が必要になりそうです。
コミー証言の日程を決めている上院の委員会ももう少し配慮してほしいものだと思いますが、こうなっては仕方ありません。
なんとか乗り切る方法を考えることが重要になります。ドル円では非常にぶれ易い状況が続きますが、ユーロを中心にして取引した場合にはもう少し判りやすい動きになることも考えられ、通貨ペアの選択も重要になってくることがわかります。
いずれにしても6月は二週目に突入したところからかなり相場が荒れそうな状況ですので、間違った方向のポジションをもったと思ったら躊躇無くいったん損切りするなどの柔軟な売買姿勢が強く求められることになりそうです。
（この記事を書いた人：今市太郎）
