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ドル円がようやく109.430円にあったギャップを埋めにいく動きをすることになりました。
市場の後講釈では「リスクオフ」という言い方になっていますが、一体何のリスクが一番大きいのかはいまひとつはっきりしておらず、窓埋めは完了したものの、そこからさらに走る動きにはなっていないのが気になるところです。
相場の下落に伴って随時ロングの投げがでて109円前半の水準まで落ちてきていますが、まだ「セリングクライマックス」感は醸成されていないのが実情で、NY勢は結構買い意欲も強く、ここからさらにドル円が下げるのかどうかが気になるところです。
109.200円のサポートラインをぎりぎり守った形
テクニカル的には109.200円というサポートラインを辛くも守りぬいた状況で、ここから8日の前にさらに下押しするのかどうかはよくわからない状況です。
そもそもリスクオフで円高と市場では言われていますが、コミー証言のリスクなのか英国総選挙のリスクなのかその材料はよくわからない状況で、冷静に考えて見ますと単に上昇を画策した短期投機筋のドル円の持ち上げが結果的にうまくいかず、下落しはじめたら次々とストップがついて結局109円台前半までもどしただけという見方もできます。
昨晩は中国が積極的に米国債を買うという報道がでたことから金利の低下が意識された局面もありましたが、そもそも米国の株価はこれだけリスクオフといわれながらも47ドルしか下げずに終わっており、たいしたリスクオフにはなっていないところも気になるところです。
米国市場はコミー証言をすでに織り込んだのか？
ホワイトハウスは大統領特権でコミー証言を拒否することは見送ったようですが、傍から見ているとどう考えてもなにか問題証言が飛び出しそうな気配で、株も為替も一段安が危惧されるのですが、リアルな相場はかならずしもそうした神経質な展開にはなっておらず、株価の調整レベルはほとんど下落のうちに入っていないような状態です。
すでに市場が一定のリスクを織り込んでいるのか関係ないのか真意はよくわかりませんが、下手をするとコミー証言がでてもあく抜けするだけであまりたいした影響がでないという肩透かしの状態も想定しておくべき状況になってきています。
また逆に何も決定打がでなかった場合、ここからするするドル円が戻すことも考えておかなくてはならず、ドル円相場はかなり難しい局面に入ってきています。
相変わらず予測不能が英国の総選挙
昨年嘘っぱちの世論調査結果でひどい目にあっているだけに、英国の調査危険の世論調査の結果などまったく信用できませんが、それでも保守党と労働党の差は縮小傾向にあり、保守党が負けた場合にどのぐらいポンドに影響がでるかが大きなポイントになりそうです。
まずユーロ円も下落しますし、ドル円が影響を受けることは必至で、コミー問題よりもこちらのほうが結果が見えていないだけに深刻です。ただこれも下落だと思って待ち構えてみると辛くも保守党勝利などが飛び出して結局買い戻しからドル円も一旦上昇などということになりかねません。
迂闊に下落を断定しているとまったくさかさまの動きがでることも意識する必要があります。とにかくここから材料の飛び出し具合次第の相場になりそうですが、ドル円単体でいいますとなぜか早めに結構いい線まで調整してしまった感があり、「セリングクライマックス感」はないものの、「FOMC」に向けてそれなりに戻りの調整局面に入ることもありえそうです。
複数のイベントが一度にやってくると実に不安定な相場になるものですが、こうしたときにはとにかく思い込みを捨てて相場の現実についていく努力をすることが必要になりそうです。
特に事前段階で大きく動いた相場は事実が登場すると買い戻しになったりする不可解な動きが顕在化しやすくなります。あくまで断定は禁物な状況です。
（この記事を書いた人：今市太郎）
