7日のNYタイムは翌日の「コミー前FBI長官」の議会証言があることから膠着状態かと思われましたが、日本時間の3時ごろに突然コミー発言がヘッドラインに登場しはじめ、いきなり株もドル円も買い戻しが進む状況となりました。
単なる観測報道かと思いきや、発表したのは当の上院議会でありまして、「
イエレン議長」の議会証言などでも事前に内容が公表されるのと同様に、コミー証言もテキストで発言のコピー内容がなんと1日前に公表されてしまったのです。
前日に公表されるとは誰も聞いていない
これは8日に行う乗員特別情報印会での証言内容が委員会のウエッブに公表されたことから明らかになったものですが、確かに事前に公表することことはあるとしてもまさか1日前にその証言部分のコピーがつまびらかになるとは誰も聞いていないというダチョウ倶楽部の往年のギャグのような状態になってしまいました。
それによると、大統領執務室で開催されたテロ対策に関する2月14日の会合で、トランプ大統領はコミー氏以外の出席者を全員退席させた後、フリン氏に関して切り出し、「彼はいい奴だ。捜査から手を引くことを望む」と述べたとされています。
またトランプ氏は3月30日、コミー氏に電話をかけて、自身とロシアには何も関係がないと伝えた上で、ロシア捜査を巡る「疑念を晴らすために何ができるか」と尋ねたと記されています。
コミー氏は電話で、FBIは大統領を個人的に捜査しているわけではないと伝えるとともに「大統領は『この事実を明らかにする必要がある』と繰り返し私に語った」と述べています。コミー氏は3度、トランプ氏は捜査されていないと伝えたとも明らかにしています。
個人的には今回の証言は、日本における国会の証人喚問でなんとか学園の元理事長が登場して勝手なことを証言するようなものと期待していただけに肩透かしもいいところで、おそらくこうした見通しが事前にわかったことからトランプ政権も大統領特権を振りかざすのをやめたものと推測されます。
株もドル円為替も買い戻し
さらに驚いたのは株もドル円も大きく買い戻しになったことで、プレッシャーをかけたことは厳然たる事実であるものの、捜査から手を引くことを望むと言ったのが希望を述べただけで命令ではないと市場は捉えたようでドル円は111.900円手前まで一気に買い戻されることとなりました。
NYダウは37.46ドル高で引けており、市場は一応はコミー証言にリスクを感じていたものの、この程度では影響軽微ということで買い戻し優勢になったものと思われます。
こうなると本日の議会証言で売り浴びせがでることは一応なくなったと見ていい状況で、今後は疑惑のかたまり、マイケルフリンが議会に召喚されたときになにを語るかが次なるリスクになりそうです。
すべてのイベントで無風となるとドル円はまさかの上昇か?
さて、ここからはあくまで妄想の世界になりますので、そのまま信じ込むのはやめていただきたいですが、午後9時半からの「ECB理事会」で「インフレ」の上昇率が下方修正され、「ドラギ総裁」が継続的な緩和を強く口にすればユーロは下落しますし、翌日朝の英国総選挙で保守党がなんとか勝利を収めることになるとほぼリスクはすべて回避されてドル円はまさかの111円台方向へ上申というやれやれの動きになることも考えおかなくてはならなくなりそうです。
昨日もロンドンタイムとNYタイムの序盤に激しく下攻めをしたドル円ですが結局109円が割れない状態で、意外に底値が堅いことも明確になったことから、今回4月のフランス総選挙のときにできた窓を埋めたことで一旦の達成感が出てしまったのかも知れません。
相場というのは往々にしてみなが想定したとおりには動かないものですが、今日からの二日間は意外にオーソドックスな動きになりそな気もしはじめている状況です。