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楽観論が再支配した米国株式市場と為替市場

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FOMC」の結果発表を前に為替相場はほとんど動かない状況が続いています。材料がないためにこうした膠着状態になることはよくある話ですし、ドル円は110円、ユーロドルは1.2にかなりのオプションが設定されていることから、二つの通貨ペアともにその前後を上下するばかりで大きな動きを示現させる可能性がかなり低くなっています。
もう1日膠着状態になるのはどうやら間違いなさそうです。一方前日までIT値嵩株の売りが激しかったNASDAQは一旦落ち着いて買い戻されていますし、NYダウのほうはどこ吹く風で最高値を更新中という状況で、楽観論は依然市場を強く支配していることがうかがえます。
金融相場全体を見渡してみますと、かなりランダムな市場になっており、個別相場がばらばらに動いていることがよくわかります。それだけ取引が難しい状況であることを示唆しているともいえます。

楽観派とは別に相場から一旦退場するファーストアウト派も存在か

依然として株式市場では楽観派が目立つ状況ですが、NASDAQにおける売りが強まった相場展開を見ていますと、早々と相場からEXITして様子を決め込むファーストアウト志向の投資家も結構存在していることがわかります。

どうやら為替市場の方は、方向感にいまひとつ確証が得られない状況だけに、とにかく「FOMC」の結果を見てから判断しようとする向きが多いようで、恐らくこのまま膠着した状況で15日の午前3時を迎えることになるのだろうと思われます。

投機筋も市場の見方は二分

一部の投機筋は夏に向けてトランプが減税政策の中身をつめるとともにペンディングになっていたボルカールールの改定を進めると強く期待しているようで、こうした向きは依然として株を買い進めている状況のようです。

その一方で明らかに市場は変化していることを微妙に感じ取っているファンド勢は一旦相場の外に出てさらに様子をうかがう姿勢を強めているのが現状です。
どちらの判断が正しいのかははっきりしませんが、「FOMC」後に相場の状況が変化することを危惧する層が一定以上存在することだけは間違いないようです。
プロが見ても相場の方向性がうまく描けないわけですから、とにかく結果をみないとどうなるかわからないというのは正しい判断で、もはやあわてずに木曜日以降の相場の状況を見てから動き始めても遅くはなさそうです。

イエレン議長は利上げ、資産売却のスケジュールは名言しない

こうなると15日未明の「イエレン議長」の会見の内容に注目が集まりますが、これまでの「イエレン議長」の会見を見る限り、今後の利上げスケジュールや資産の売却スケジュールを名言するとは思えず、当てにならないドットチャートなどが手がかりとなって為替相場はそれなりにぶれる可能性もでてきそうです。

為替のことだけを考えた場合、ドル円はそれほどロングが積み上がっているわけではないようですから、大きく投げがでて相場が一気に下落するようにも思えない反面、債券金利が上昇しなければほとんどドル円も上昇を見込めないのが現実で、「FOMC」以降のドル円はまさに金利の動向次第ということになりそうです。
米国の株式市場のほうは利上げの影響が即日相場に現れるということはありませんが、すでに合計で4回目にあたる今回の利上げが株価にプラスに働く要素はまったく見当たらないことから、株式市場が利上げをこらえきれなくなる段階ではかなり大きな調整、下落に直面するのは時間の問題となりそうです。
過去にも「FRB」の利上げが大きく相場を変化させるきっかけとなったケースは多く存在しますので、ここからは「FOMC」直後の動きのみならず、その後の株式市場の推移にも十分注目していくことが必要になりそうです。
とくに債券市場は利上げ以降の相場にかなり冷めた目をもっているようですから、一段と長期金利が下がり、短期金利だけが上昇しはじめると株式市場発のリスク展開に注意することが必要になります。今週の相場の動きはかなり重要なところにさしかかっているのです。
(この記事を書いた人:今市太郎
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