今週はNY地区連銀総裁のダドリー発言をうけて111円台後半まで駆け上がったドル円でしたが、結局それ以上の上値を試すことができず、利上げ、「バランスシート」縮小という債券金利上昇にとっては、この上ない材料が揃ったにも係わらずこの程度までしか上昇しないことを改めて確認する相場になってしまいまいました。
どうもはっきりしない相場が続いており、やりにくさは日に日に高まりつつあります。
気がつけば上値も下値もきり下がる状況に
多くの市場参加者がドル円は大きく上がらないと見ていることもあって、上昇すると戻り売りをかけてくるケースが多いようでショートが溜まりすぎると何度か「ショートカバー」を繰り返す相場ではありますが、ここ数日では111.500円を超えるのも難しくなってきており、昨日は下値も111円を割り込む形となりました。
昨晩のNYカットまではかなり大きなオプションもあった111円ジャストでしたが既に消滅していますから本日以降下抜ける可能性も高まり、週末どのレベルで相場が終了するのかも非常に気になるところです。
後からみれば単なるレンジ相場にしか見えませんが、レンジの下限では下抜けしそうにも見えるので結構逆張りには気を使うことになります。
昨日から今朝にかけてはすでに111.500円以上には戻らなくなっており、再度下値を試す展開になるのかどうかが注目されます。
WTI原油先物価格が1バレル40ドルを下抜けると大きな調整か
結局原油価格の下落はドル円にも相当暗い影を投げかけているようで、一旦は下げ止まっているように見える「WTI」の原油先物価格が40ドルを割り始めるとそれなりのスピード感をもって35ドル付近まで下落するリスクは残っており、原油起因で円高がめぐってくる可能性も高まります。
5月までまったく話題に上らなかった原油の問題で円高かという言われるとかなり唐突な感じもしますが、それぐらい相場には材料がなく、クロス円の下げがそのままドル円に響いてくる感じです。
ただ下押ししてもそれだけでまた109円方向に大きく下落するとも思えず、何も考えずにレンジ相場を割り切って逆張りだけつづけていけばそれなりの利益は確保できる動きになっています。
こうなると他の通貨ペアに移行することも考えたくなりますが、ポンドはわけがわからず危ないばかりで、ユーロドルも1.13に乗る前に頭を抑えられて下値を切り下げる状況で、いまひとつ勢いがなくドル円のレンジを粛々ととっているほうがかえって安全なようにも見えます。
ファンダメンタルズがなんら関係しない相場
どうも足元の相場は「ファンダメンタルズ」がまったくワークしない相場になっているようでロジカルに状況を理解しようとすればするほどよくわからなくなってきています。
そうこうしているうちに次の動きが現れてくることになるのだろうと思いますが、多くの市場参加者がかなり動きがとれなくなってきているものと推察されます。
「スキャルピング」に徹して枚数をあげて上下を短時間でとっていくと結構稼げますので、時間帯を決めてこうした方法でサクサク利益をとって、後は動きがでるまでお休みといった方法もありうるのかも知れません。
原油価格の下落で軒並みインフレ率が下がり始めており、果たして「FOMC」の追加利上げが正しかったのかはこれからその審判が下されることになりそうですが、本来トランプの政策との整合性を維持するのならば闇雲に利上げなどせずに「中央銀行」の緩和バブルを継続したほうがよかったのではないかと思われ、これについては市場からまもなく厳しい反応が返ってくることになるのではないかと思っています。
6月は何事もなさそうですが、7月に相場が大きく変化するかどうかを引き続き注意深く見まもっていきたいところです。
(この記事を書いた人:今市太郎)