皆さんは昨日の東京タイムからのドル円の乱高下に巻き込まれていませんでしょうか?
112円台をつけるところまでは期待感の高い相場でしたが、実に短い滞空時間で下落がはじまり、今度は高値を買った向きが完全に投げさせられる動きが強まり、ロンドンタイムが始まった午後5時には米債金利がなぜか大きく下がり始めて111.467円まで下落することになります。
ところがその後どんどんと戻る動きが強まりNYタイムでは予想外につよい経済指標も支えになって大きく値をあげなんと午後1時には112.456円にまで吹き上がります。
しかし午前2時にロンドンではじまった「イエレン議長」の講演でなぜか株高牽制発言が飛び出すと株価は下がりだし、金利も調整気味に推移してだらだらと下げる展開となってしまいました。
普通にしていてもよくわかりにくい相場なのに、たまに動意があると思えばこの調子で買っても売ってもそれなりに損切りをさせられた結構つらい相場だったのではないかと心配されます。
イエレン発言をきっかけに下げ始めた米株の本格調整に注意
バブルの守護神で米株の上昇を招いてきた強本人の「FRB」の議長が株価の買いすぎを牽制するのもいかがなものかと思いますが、金利が上昇したことで買いが集まった金融株以外は軒並み調整が入り始めている米国の株式市場が今週後半に向けてさらに調整をすることになるかどうかに注意が必要となります。
基本的にドル円は債券金利に大きく振らされることになっていますが、株価が大きく下落しはじめると日経平均も連動して下がりますから、ドル円が巻き込まれて下落する可能性はきわめて高く、ここからのポジション作りは相当慎重に行ったほうがよさそうです。
だいたい東京タイムに上申する相場というのは、ロンドンタイムに入ったとたんにロンドン勢に完全否定されてストップ狩りにあうことが極めて多いものですが、昨日の上げて下げてまた上げるといった動きはほとんどたいした理由もなく起きていることで、この手のランダム相場に巻き込まれると闇雲に資金を減らしてしまうことになりますので、わけがわからないと思ったときにはあえて相場に参加しない勇気も必要になりそうです。
ユーロドルも気がつけば1.13492まで上申
昨日まではユーロドルにおけるユーロ売りが回りまわってドル円を押し上げる形になっていましたが、「ドラギ」発言で一気に相場が吹き上がる形となり、ユーロ売りのはずが一転ユーロ買いで相場の景色はすっかり変わることとなりました。
こちらでもユーロを売られていた向きは完全に損切りをせざるを得ない状況に追い込まれたはずで、なかなかつらい相場だったのではないでしょうか。
久々に大きく吹き上がるユーロドルを垣間見た気がしますが、材料がないときの要人発言というのはかなり相場に影響を与えることになりますので、事前に講演や発言が予定されている場合にはしっかりポジションをリカクして、持たないようにするといった基本的な行動を改めてとることが必要になることを感じさせられます。
それにしてもドラギ発言にのって買いを仕掛けた方は昨日はかなりラッキーだったのではないでしょうか?ただこういう相場の場合、だいたい初期の上昇の段階でリカクしてしまって後から見るともったいない売買をしてしまうことも多く、上げ相場をどこまで我慢するかのグリップ力を養うことも必要になることを感じます。
欲張ると結局損をするものの、先を急ぐともらいが少ないという為替相場ならではの問題に直面するわけですが、こうしたときにはどの時間足のチャートで勝負するかで結果が異なるものとなります。
5分足のようなチャートであればその上限でリカクするのは仕方ないことで、とくにバンドウォークをはじめた場合にはどの時間足を使うかは相当慎重に選択する必要があることをこの相場は教えてくれています。
(この記事を書いた人:今市太郎)