6月半期末が迫った為替相場はどうも動きが悪く、逆に動き始めると上げたり下げたりというわかりにくい動きをしており、長くポジションを持つこと自体が大きなリスクになりつつあります。
そこでこの半期末をうまく利用したトレードということで注目したいのが「仲値」トレードです。まず注目したいのが東京タイムの仲値ですが、実は「London Fix」でも同様な取引の妙味を味わうことができるのです。今回はこの二つを改めてご紹介してみることにします。
東京タイムの仲値ではなぜドル円が上昇することが多いのか
東京タイムでは毎日というわけには行きませんが、「仲値」の決まる9時55分に向けてドル円が上昇することが多くなります。これには結構明確なわけがあります。
政府機関が発表しています貿易取引通貨別比率でいいますと、輸出の場合は米ドル決済が51%なのに対して輸入が66.7%とかなり多くなっています。
東日本大震災のあとのように「貿易赤字」が大きいときには必ずしもそうはなりませんが、足元のように輸出が多い状況で、なおかつドル円で円買い需要が多いという状況になると「仲値」の決済はどうしてもドルが足りなめに推移し、高い価格の売りでも買いに行く動きとなるためドル円は上昇しやすくなるのです。
こうしたことから「5~10日にはかなりドル円が需給面で足りなくなる傾向が顕著となり上昇が期待できる」のです。ただ、先に仲値需要を見越して上昇してしまいますと仲値の前に失速することもあるので注意が必要ですが、動きを見ていれば上昇するかどうかは結構判断がつくものとなります。
東京タイムの日中は殆ど動かないことが多いので、このタイミングに集中して売買をしてみるというのもひとつの手になります。FXニュースによっては仲値の前にどのぐらい不足しているといった情報を流すところもありますので、それも参考になります。
ただし事前に不足していても間際に大きなドル売りが持ち込まれたりしますといきなりドル円が下がりはじめることもありますので、情報がすべてというわけではないことも理解しておく必要があります。
まあ仮にもくろみ通りに相場が動かなくてもそれほど大きなやられにならないのもこうした特定時間帯の取引の特徴といえます。すでに「仲値」取引は結構やられる方も増えているものと思いますが、5~10日はその確率が高くなることを覚えておくといいでしょう。
期末のユーロはLondon Fixで上昇することが多い
この東京タイムの「仲値」需要のような動きは実は「London Fix」にも登場することがあります。期末のユーロ買いがそれでユーロドルとユーロポンドで半期末の「London Fix」(日本時間の午前0時)にユーロ買いが明確に出ることが非常に多くなります。
ユーロポンドで考えますと英国は対ユーロについては万年「貿易赤字」国ということもあり半期末のレパトリを中心とした需要ではユーロ買いが鮮明になります。
また対米貿易で黒字のドイツが存在することもユーロドルでの期末ユーロ買いの動きが鮮明になるひとつの理由とみられています。だいたい午後11時45分ごろから急に動きがはっきりとしてきて12時にかけてこうした動きがでることが多くなります。
29日や30日にはこうした動き画でやすくなりますので、注意してみていると短時間で結構おいしいトレードができることになるというわけです。こうした特別な期末のフローというのは他の通貨でも出ているのかもしれませんが、やはり流動性の高いドルとユーロに多く見られることになるようです。
動かない、方向感のない相場では動く時間帯を見つけるのが重要
とにかくここへきて相場が動かない時間が長く、突然動き出すとなると飛んでもない方向に上下することが多い状況では単なるレベル感だけで相場に参入してみてもいいことは殆どありません。
できれば動きがある程度予測できる時間帯やタイミングを積極的に選らぶことも重要になります。
(この記事を書いた人:今市太郎)