AIの導入は各業界でかなり広範に利用が検討され始めていますが、どうやらFXの世界にもその流れで入り込んできそうな状況です。
NVIDIAの画像認識技術がFXにも登場か
「NVIDIA」といえば自動運転のための画像認識の領域で注目されているプロセッサーメーカーです。
人が本来チェックする自動車の前方を画像情報で取り込んで一瞬のうちにコンピュータに送り出しAIがそれを分析して自動運転のためにフィードバックするというなかなか画期的な方法がこれになります。
「NVIDIA」を利用したディープラーニングによる認識では単一のDNNさまざまな対象物とその属性まで認識し、クルマの影にかくれた歩行者さえ認識することができるようになるといわれていますが、これをFXにも使ったらどうかという案が浮上しているようです。
つまりチャートの形を一元的に取り込むことで過去の事例から判別してその先の動きがどうなるのかを高次元で判断しようとするのがこの画像認識技術によるFXの自動取引となるわけです。
チャート認識ならすでにサービスは存在
ご存知のようにチャート認識ということでいいますと、すでに未来予測チャートなどがFX業者を利用して無料で利用されるようになっています。
実はこれも数年前まではヘッジファンドが多額の資金を使って分析していたもので、いまやパソコンで無料で見ることができるものになってしまいましたが、過去のケースから将来を判断するという点ではAI利用の画像認識と発想は酷似しています。
ただAIのほうの中身がかなり異なるのはチャートの形状のみならずそのほかの材料を一元的に把握し、AIがそれにもっとも近いものを割り出すというおまけの作業をしてくれることで、その精度はかなり高くなることが期待されています。
すでに米経証券には株式のファンドマネージャーはほとんどいない
あまり知られていないことですが、米系の大手証券会社には株式のファンドマネージャーはほとんどいないと言われています。
インデックス取引のほうが個別の取引よりもよほど成績がいいというのが大きな理由になっているようですが、それ以外の取引はなんとAIとアルゴリズムがこなすようになっていると言われ、人が裁量で取引する余地はなくなっているとされています。
FXについてもこうしたAIの実装が進むことになると、インターバンクディーラーといった存在がなくなる可能性も出てきているわけで、われわれ個人投資家も今後のFX取引においてはAIとの戦いを強いられることになるのかもしれません。
ということで未来予測チャートを使ってみた
こうなると我々個人投資家も過去のチャートからなんとか未来を予見する方法をもっとうまく利用する必要があるのではないかということで、「未来予測チャート」を使ってみることにしました。
こうしたチャートサービスはいくつかのFX業者では無料で使えるようになっており、さまざまな名称はついていますが、基本は同じ会社が開発したものがベースになってます。
5分足や1時間足、日足などの時間設定を選択すると過去の動きにもっとも近いものをローソク足検索から選んでくれて3つまで近似値を選択表示してくれるというもので、ここのところかなりの時間を割いてその結果を見ていますが、すばらしく当たるというほどの手ごたえはないものの、1分足や5分足などが逆に結構参考になることがわかってきています。
やはり日足というのは漠然としすぎる傾向があるのかもしれませんが5分足ですと過去の動きでかなり似たような動きをするものは相場の状況が似ている可能性があるのかも知れません。
そもそも人が判断して動くのがFXですから市場参加者が一定の判断を下して相場の動きが示現するとなると、その形状にすべてが集約されていると見るのは結構正しいことになるといえそうで、これはさらにうまく利用する方法を考えたいと思い始めているところです。
(この記事を書いた人:今市太郎)