前回、「雇用統計」直後に、本来なら予想外に良かった結果から、本来であれば円高に行くはずだったものが、113.5で叩き切れなかったので、一度、売り方を踏ませるために0.5パーセントの戻りが発生するメカニズムの話しをしました。
その計算を間違えるというハプニングがありましたが、114円近辺ではテクニカル的には相当、煮詰まっているので、円高という話をしました。今回は、その話の続きをします。
今回の戦略のおさらい
これは、今年か、去年からずっと言い続けていることですが、ドル円は4時間足の「単純移動平均線30」に沿って動く、という話をずっとしています。画像上記の図をみれば明らかで、この30がトレンドだと思えばいい、ということです。
その線をローソクが下割っているので、このトレンドは売りと決定しただろうと考えます。そこで次回に追加の売りを仕掛けるのは、どこなのか、を考えた場合、前回、下向きのトレンドが確定した後、この4時間足の30まで戻りを達成した後、急激な下げを達成をしています。
つまり、戻りが113.7近辺まであると覚悟して、それまで待つか、それとも関係なしに売るかの選択になります。ところが、待てど、暮らせど、113.7まで戻る気配がない。その間に、4時間足の120はよこよこのラインが下向きに変わりつつあることを確認してから売るということになります。
つまり、「113.3円」近辺で売り、ロスは「113.7円」を完全に上回った114円近辺で設定して売るのです。これは、もちろん私のやり方で、みなさんが違っても当然の話です。
もちろん私はこの間も玉を動かしており、また、テクニカル派の方にとって直近の安値112.8近辺は112.95で止まると判断していると思います。私も112.9で買って、113.7まで買うつもりでいましたが、全く戻る気配がないのに嫌気がさして先に売ってしまった次第です。
つまり、112.9での買いに対して、113.3の売りでアンコパッチを作っただけの話です。こうすれば利益の乗った両建てになりますので、実質の売りは114円台の売りのみになり、この売り値を超えない限りは、踏む必要がありません。
かんたんな話、自分の給料が上がっていないのに、余計な買い物をしますか、ということだけの話です。余計な買い物をしないのに、「消費者物価指数」が上がるわけがありませんよね。
予想はマイナス0.1ですが、こんなものの発表になるであろうと思っただけの話です。今まで、テクニカルで相場を張っていたみなさんにとって、この「ファンダメンタルズ」を理解すると、予定から、その発表が良くないというのはわかりきっていることですので、その売り方針に自信をもてることになるのです。
そして今後
「消費者物価指数」の発表が悪いとまた、金利が低下、債券価格は高騰します。おまけに円高ですからドル安。だから株式はまた新値を更新するでしょう。
しかし、来週はジャクソンホールを控えており、「イエレン議長」がテーパリングを発表するのが濃厚です。その場合、「FRB」の保有資産であるアメリカ国債を放出することになりますので、債券価格は下落、金利は上昇になります。
もちろん、秋からやるという発表になり、その事前のアナウンスメントでしょう。ですから、マーケットの反応は未知数ですが、ドルが上昇することはほぼ確定的です。でもこれ、金融引き締めですよね。引き締めというのは景気に水を指すためにやるのですから、金利上昇から株価が下落するのは当然です。
株が下がって、ドルはどうなるかはわからないのですが、上向きの景気に水を指すということは、ドル安ではないでしょうか?とにかくテーパリング自体は、人類史上初めて行うことですのでどうなるかはわかりませんが来週は注目になるのは当然の話になります。
(この記事を書いた人:角野 實)