今回は珍しく「トレードツール」に関するお話しです。10年前ではとても考えれなかった話ですが、今やFXも最初から最後までスマホで見て売買をするという個人投資家はかなり増えているようです。
携帯がガラケーからスマホになったこととモバイルブロードバンドの普及により、取引にあたっての不安定感といったものは一切感じなくなったことが利用者増大の大きなポイントになっているものと思われますが、本当にスマホだけで勝負するのであれば、使いやすいアプリを提供してくれる会社を選ぶことが必要になるのは言うまでもありません。
そんな視点でスマホでの取り引きしやすいFX業者の選び方について考えて見たいと思います。
要件定義はクリアしても使いにくければ意味がない
FX業者にとってはスマホのFXアプリというのは、業務上とってつけたものからスタートしているという点は見逃すことが出来ません。
多くの業者がスマホでも取引ができる程度でアプリを外部に丸投げで作り始めたのが、スタート時のツールになりますから、たしかに開発会社に依頼するときに設定した要件定義はクリアしているものの、実際に使ってみると思いのほか使いにくいというツールを提供している会社があるのは事実です。
使いやすい使いにくいという印象はユーザーによってもそれなりに異なる部分があると思いますが、一般的にみて次のようなポイントをクリアしているかどうかをチェックしてみることが重要になります。
チェックポイントはおおむね3つ
各社の提供しているアプリを見ますと、ワンクリック注文と通貨ペアごとの全決済はほぼどの業者でも可能になっていますから、あとの使い勝手はいかに簡単に取り引きできるかが大きなポイントになってきます。
この視点で考えたときに必要な3つのポイントは以下のようなものになると考えられます。
①アプリを立ち上げてから売買できるまでのファンクションの少なさ
②チャートの見やすさ
③チャートの操作性
まず、アプリを立ち上げていかに工数を少なくして売買までたどり着けるかが大きなポイントになります。立ち上げ後すぐに取り引きできることがやはりよくできているアプリということができます。
また次に重要なのは、なんといってもチャートです。スマホだけで売買しようというわけですからどれだけチャートが見やすいかは非常に重要になります。
日常的に使っているテクニカルツールが実装されているかどうかがポイントとなりますし、スマホできちんと視認できるのかどうもきわめて大切になります。さらに操作性も問題になります。
たとえばチャートにトレンドラインや水平線が簡単に引けるかどうかは結構大きなポイントです。PCでトレンドラインが引けないとなると致命的な状況になりますが、スマホアプリの世界では実はトレンドラインも水平線も引けないアプリがまだゴロゴロ存在しています。
少し前までは入金はスマホではできないというものもあったようですが、さすがにスマホだけで売買するユーザーを意識してか基本的な売買に絡む機能でスマホだけできないというアプリはなくなっているように見えます。
機能改定に積極的な会社がお勧め
機能面から見ますと、非常によくできていると思うのが「YJFX」のアプリです。これは最初からかなり秀逸なツールになっているといえるのではないでしょうか。
もっとも利用可能項目を多く実装しているのが特徴でこの会社ならばスマホだけでも勝負できそうな気配です。また改定に改定をかさねてどんどん使い勝手がよくなっているのが「ヒロセ通商」と「JFX」のアプリです。
この会社はPCでもそうですが、次々とユーザー目線でツールの改定作業に時間と費用をかけていますので、細かいところでユーザビリティに差がでてきているといえます。
AIスピーカーが普及するとFXも声で売買する時代か
ところで米国ではすでに「アマゾンEcho」など音声だけでネットに接続するAIスピーカーが大流行になってきています。このデバイスを見ていますと、FXも画面を見るよりはロボットが音声で状況を伝えて売買する時代もそう遠くはなさそうに見えます。
もちろんその先にあるのはAIによる自動売買というものも視野に入ってきますが、FX取り引きも大きく変化する途上にあるようで、スマホのアプリのできを云々議論するのもここ数年の問題になるかも知れません。
(この記事を書いた人:今市太郎)