8月に入って110円割れまで試したドル円ですが、どうもショートがたまり過ぎると応分のショートカバーも現れる始末で、上値は重いものの下値も堅いという非常にやりにくい展開が継続中です。
一方ユーロはかなり元気な状況でユーロドルはとうとう1.19に届き、ユーロ円もまたしても投機的な時間帯に入りつつあるようです。
投機的といっても本物の投機筋から個人投資家までオール投機筋体制でやっているわけですから、上げたり下げたりするのは当たり前の状況で、利益がでたらうまくリカクして前に進むことが重要な相場になってきています。
ドル円はいつもながら底堅く上値が重い状態
ドル円はまた独特の状況を継続中です。1日のNY市場で早々と110円割れをつけたにもかかわらずストップの下にあるかなりの量の買いのオーダーに負けて大きくショートカバーをした翌日の2日、ほとんどの市場参加者がアジア時間に戻り売りをしたことからロンドンタイムまでにまたしてもショートカバーが出る形となり110.900円近くまで跳ね上がりましたが、NYタイムには待たしても下押しとなり、上下を繰り返す始末になっています。
110円割れには本邦の機関投資家と見られる買いもあるようですが、逆に111円には売りが並ぶ状態で、相変わらず本邦個人投資家は上がっても下がっても損切りをしないのでショートのポジションはそれなりに残っているようで110円を割るほど下落もしなくなってきています。
例年の動きですとこうなってしまうと膠着して日柄調整に向かうことが多いわけですが、果たして今年の夏はどうブレイクするかが注目されます。
ユーロドルは1.19のせ
一方好調を保つユーロドルはとうとうNYタイムに吹き上がって1.19をつけてきており、押し目があれば買いもちしているだけで確実に利益を稼ぐことができる状況になってきています。
ただ、1.19に乗せたとたんに厳しい戻り売りの洗礼を受けていますから、確実に利食いしてはまた押し目を買うというこまめな売買が利益を大きくするヒントになっているようです。
しかし1.17を超えてから1.19にまで到達する時間はかなり短く、その上伸ぶりのすごさが窺われます。
ある意味でドル円のショートカバーにつかまるよりは単純にユーロドルを買っていたほうがわかりやすくて素直に儲けられるようになっていることがわかります。
ユーロ円はさらに投機的な動き
ドル円、ユーロドルのこうした動きの中でさらに投機的な動きを見せているのがユーロ円です。
基本的にユーロが強いわけですから上昇力はありますが、ドル円の動きに合わせてあげたり下げたりする局面があり、その動きはもっとも複雑になります。
こうした動きがお好きな方は別としてやはりやるならユーロドルのほうがわかりやすいのが実情で、よほどこだわりがあるのでなければ、あえてユーロ円に手を出すのはいかがなものかと思われる動きになりつつあります。
いずれにしても投機主体の相場ですから、上昇してリカクがでれば下げてきますし、必要以上の上下動が起きるのは必然となっていますので、チャートの前にいないで指値だけで勝負するのはかなり危ない感じです。
やはり見ていられる時間帯に確実に売買しておくのが基本で、ユーロドルなら押し目にリカクの指値もいれておくのはこの時期手間のかからない利益獲得法になりそうです。
もはや東京タイムでもかなり相場が薄くなりつつありますので、あまり無理をせず確実にいけそうなところだけポジションをとるといった工夫が必要な時期になってきています。
今週は雇用統計の発表もありますが、投機筋がこうした材料をきっかけにして相場を上に持ち上げてくるのか下押しに使うのかが非常に注目されるところです。
それ次第で結果とは異なり一定の方向が一時的に示現することもありそうですが、来週となるとさらに相場は薄くなりますので、いずれにしても短期決戦が基本となることでしょう。
(この記事を書いた人:今市太郎)