どうもお盆休みのFX相場は投機筋の買いと売りに翻弄されて、連日どちらかに損切りが発生するという投げと踏みの応酬祭りになってしまったようです。
休み返上で市場に残った投機筋はどれだけこのお休みで稼ぐことができたのか心配になりますが、売り方も買い方も決していい思いをすることがなかったように見える今週のFX市場です。
ところで一息ついたのかどうかまったくわからない北朝鮮情勢について9月9日がやはりかなり危ないのではないかという話がかなり明確になりつつありますので、我々FXの個人投資家としても相当注意することが必要になりそうです。
9月9日は北朝鮮暴発特異日
8月21日の午前9時が危ないというお話はすでにほかのFXコラムにも掲載させたいただきましたが、さらにそれを超える危ない日として注目されるのが9月9日です。
昨年のこの日にも北朝鮮は建国記念として5度目の核実験を行なっていますし、これまでも長距離ミサイルの発射実験の2ヶ月から3ヶ月後に核実験を必ず実施していることから、この日は今年もそのお日柄にぴったりのタイミングになっているわけです。
9月9日は土曜日ですが、8日には軍事パレードが予定されており、その後の発射となれば週明けの相場は大荒れ必至で、このあたりは少なくともポジションを週またぎで持っていくのはかなり危険です。
一般的には核実験を行なうとされているようですが、実は、核弾頭をミサイルに搭載して実験するのが最終的なものという見方もありますから、核実験とミサイル発射がもれなくついてくる可能性もあることは意識しておかなくてはなりません。
米国側もやる気満々という噂
北朝鮮攻撃を巡っては日米で電話会談が開催されているようですが、トランプ大統領からは9日に先制攻撃をする話が出たとか出ないとか言う噂も駆け巡っており、8月いっぱいで北朝鮮に渡航している米国人の帰国命令が出ており、渡航禁止となっていることから見てもなにかやらかす可能性はゼロではなさそうです。
そうでなくても国内の支持率はがた落ちで、何をしても政権として機能するのかどうかを疑われはじめているトランプ大統領ですから、起死回生で一撃を加えることを画策してもおかしくはありません。
エクソンモービルのCEOも勤め、政権内ではかなり実務的で現実派とされているティラーソン国務長官は北朝鮮への戦闘をかなり止めにかかっているようですが、マティス国防長官はバリバリの軍人出身、マクマスター国家安全保障担当補佐官も陸軍中将出身、ケリー新大統領補佐官は海兵隊大将の経験をもつということで、気がつけば人材不足を軍人出身者でかなり補っている恐るべき内閣であるため、戦争をトランプにたきつける人物が非常に周囲に多いのも気になるところです。
さらに中国と戦争したらどうなるかなどという物騒な本を出版しているピーターナヴァロも側近にいるわけですから、トランプが勢い込んでこのタイミングに予防戦争をしかける危険性は決して低くないものと思われます。
これが、戦争に発展するのか一瞬の戦闘行為で決着がつくのかはまったくよくわかりませんが、FX取引に関するかぎり初動で結構相場が動くことになりますから少なくともこれで儲けにすることは考えなくても巻き込まれて損失を被ることだけはなんとか避けたいところです。
韓国を戦争に巻き込むような予防攻撃を行なうことはありえないという話もありますが、そもそもありえないような大統領であるわけですから、これまでの歴代大統領と異なる発想をするリスクだけは考えておくべきでしょう。
ミサイルがどこに着弾するかにもよりすが、その後の米国の対応でも相場はかなり動くことになりますから、FXにとってはこの9月9日は内容次第では同月の「FOMC」よりも大きなインパクトを市場に与えることになるかも知れません。とにもかくにも厳重注意をお勧めします。
(この記事を書いた人:今市太郎)