8月25日、一部の証券会社で突然サイトやツールにアクセスできないという不測の事態が発生しました。
通常のウエッブサイトにアクセスできないということだけであればそれほど大きな問題ではありませんが、売買ツールにアクセスができなくて取引ができないことでかなり青ざめた方も多かったのではないでしょうか?
私が利用しているFX業者では特別ポジションをもっていたわけではありませんが、楽天証券がまったく接続できなくなり、JFXも一旦切れてすぐにつながる形となりました。
国内のサーバーとなんの関係もないXMのほうは粛々と取引ができて、なんの支障もなく売買が可能となった状態でした。
グーグルが原因か?
この接続障害ではOCNやLINEにかなりの影響がでたようですが、NTTコムの発表ではOCNと接続する海外事業者に不具合が生じたことが原因で、複数のIT専門家が同事業者は米IT大手グーグルの可能性があると指摘しています。
一瞬「北の国」からの攻撃なのではないかとも疑いましたが、今のところその原因は明確にはなっていません。接続できているはずのネットに接続ができないとか維持できないとなるとFXユーザーにとってもっとも心配なのは保有ポジションをいったいどう決済するかという問題になります。
実はこうした接続障害への対応策というのはそれほど多いわけではありません。個人投資家ができることといえば二つの方法ぐらいしか考えられないのが現状となります。
第一の方法は資金を厚めに入れておくこと
まず個人投資家が対応すべき方法としてはポジションが最悪の相場状況になったとしても強制決済にならない証拠金を入れておくことがあげられます。
たとえばドル円で1万通貨のポジションを保有した場合、証拠金自体のコストが4万4000円で1日の上下変動は1円程度が通常ですから、含み損は最大でも1万円程度となりますが、最近の猛烈な上下動では2円近く動くことも想定しておく必要があります。
この場合10万円の証拠金で1万通貨のみのポジションを保有していれば基本的には強制ロスカットにひっかかる可能性はないといえます。
しかしこれが2万通貨であれば証拠金だけで8万8000円必要になり、まさかの2円の動きがでた場合には4万円の含み損が出る可能性があるわけですから、12万の証拠金でこうした売買をしてしまうと最悪強制ロスカットにひっかかる可能性は十分に出ることになります。
もちろん100万円といった十分な証拠金投入で限られたボリュームの売買をしている場合には、ほとんど問題はないといえますが、ぎりぎりの資金で売買をするときには一体その資金でいくらまでのポジションを作れるかをよく考える必要があります。
第二の方法は作ったポジションにすべてストップロスを入れること
証拠金よりもはるかにわかりやすい対処方法といえばなんといってもストップロスを置いて一定の含み損がでたらとにかく損切りをできるように逆指値をおいておくことです。
また利益のほうも指値をおいておけばさらに安心ということになります。これはまさかのときの暴落にももっとも有効な方法になりますから、数十秒のスキャルピング以外の取引では面倒でも損切りを入れておくことはかなり安全な方法ということができます。
「なんだそんなことか。」という気がする解決法ですが、アクセスできなくなりますと本当に手も足もでない状況になってしまいます。あわててリアルタイム入金を実行する手もないわけではないですが、そもそもネットが利用不可となってしまいますとそれもかなり厳しい状況になります。
損失予測がどの程度になるかを別としても、FXでポジションをもっていながら、売買ができずに手も足もででないことほどイライラすることはありません。
いつ何が起きるかわからないのがFXですから、とにかく大きな損がでそうなポジションづくりには並行して対応策を打っておくことが非常に重要です。
(この記事を書いた人:今市太郎)