「来るぞ来るぞ」と毎回このFXコラムで北のミサイルの話を煽っていましたが、この夏やっとミサイルリスクでまとまった利益がでました。
NYタイム終了時にドル円が上昇したので109.300円を超えたところで売りもちにしていたところ、朝6時前から様子がおかしくなり、ドル円も日経225CFD先物も大きく下がりはじめ、結局108.300円にきわめて近いところで売り抜けることができました。
その後ひっくり返して押し目買いを進め、108.750円まで戻したところで一度売り、さらに再下落したところに買いを入れて108.900円超えのところで売り戻して、とりあえず朝の強烈なプライスアクションタイムを乗り切ることができました。
しかし当初から申し上げているとおり、被害もなく、米国の領土内にも墜落したわけではないとなると、その先に何も起きないため、「結局買い戻ししか起こらない」のが現実で、下げると「デフォルト」になるかもしれないのにせっせと米債を買う機関投資家のドル円買いが案の定ではじめて戻るわけですから、完全に一粒で二度おいしい動きを味わうことができた次第です。
2時間弱でドル円だけで1.8円程度とれたのはかなりいいFX取引だったと思います。
ただ見ているときと不在のときではまったく結果は異なりそう
こうしたミサイルネタで人が儲かった話というのは実に簡単に見えますが、全体がどうなっているかわからないときにプライスアクションとニュースのヘッドラインだけから判断して、売ったり反転して買ったりするのは想像以上のストレスになりますし、ややもすると早めにリカクしてしまい、利益を十に確保できないことも多くなります。
成り行きで決済をするとしても一応の指値によるリカクポイントも設定しておきますと、結構利を延ばすことができます。こういうまさかの事態というのはいろいろなことが頭を駆け巡りますが、まさにチャートとの格闘が基本になり、1分足のボリンジャーバンドとRSI、標準偏差の組み合わせが大活躍してくれることとなりました。
この組み合わせにこだわることはありませんが、スキャルピングに近い状況での売買を行うためには自分で判断できるチャートの組み合わせをあらかじめもっていることは非常に重要になります。
ただし、こうした取引は実際にリアルタイムでFX相場を見ているときと指値だけが置いてある中での取引とではかなり異なるものになることが予想されますので、いつミサイルが飛んでくるのかによっても相当結果が異なるものになりそうです。
今回の時間帯会社に行かなくてはならない人たちはFXに専念していられませんし、リカクの指値をしておいても108円初頭においておいた場合にはまったく利益にならずに戻してしまうという結果に終わった方も多かったのではないでしょうか。
果たして北のミサイル発射はいつまで続くのかが気になりますが、これで日本の領土内に墜落して損害がでることになるとやはりFX相場の動きはかなり変わることになりそうです。
ただ、住んでいる方には大変迷惑なお話でしょうが、宗谷岬のそばに下落しても猛烈な円高にはどうもならなさそうな気配も感じます。やはりこうした問題から戦争に発展するかどうかが、FX市場にとってはかなり大きなリスクとなる分かれ道となるのは間違いないようです。
例年8月末から9月というのはろくなことが起きないことが多いわけですが、この先の相場の動きもかなり心配になります。ここからはトランプの反応についても注意が必要となります。
今のところ何もしないと思いますが、何か重要な決定がでればNYタイムに向けてもう一山動きが出る可能性もあります。
(この記事を書いた人:今市太郎)