今週は先週末107円台をつけたドル円が「イベントドリブン」ファンドの動きなのか何なのかははっきりしませんが、とにかくストップ狩りにあって大幅な「ショートカバー」を示現したあとに、さらに買いあがる動きを見せ、日足レベルでは完全に上昇を示唆するチャートとなりました。
しかし月足、週足ベースだとまだ下方向の動きは収まっていない状況で、一時的な上昇ともみれる微妙な状況です。
市場の見方も二分
とにかく短時間で急激に上げを示現してきたドル円ですが、市場の見方も二分されはじめています。
このまま上昇に転じるという向きもあればレンジの過程にすぎず、せいぜい111円台後半までの上昇がいいところであろうという見方も根強く、ここからの市場予測はかなりわかれていることがわかります。
つまりどちらに動くかはこの時点では断定しづらい状況であり、FXを手掛ける我々、個人投資家としても両方向に柔軟に対応できるように準備をしておくことが必要になりそうです。
ただ、今週はポンドが利上げ期待で異常に上昇し、かなりその影響をドル円も受けたことは間違いなく、ドル円単体の事情だけで大きく買いあがったわけでもないところはちょっと気になるところです。
最大のポイントはFOMC
週明けのFX市場でもっとも影響を及ぼしそうなのは、当然のことながら「FOMC」ということになります。
フィッシャー副議長のある種トランプに対する抗議の前倒し辞任から考えますと、フィッシャーはなにか「イエレン」に指示している可能性はかなり高く、資産の縮小は確実にやってくるものと思われますが、利上げも本来は12月にやりたいはずで、そのあたりが「イエレン」会見でどのように語られるかで、FX相場の動きがさらに上昇に加速するか折込済みで下落するかをわけることになりそうです。
といっても金利以外の資産縮小の話は既に織り込まれていますから、この材料だけではドル円は112円から109円のレンジ内の動き程度であり、それほど大きな動きになるかどうかも疑問な状況です。
NYダウは「FOMC」の動きなどまったく意に介すこともなくじり高を続けています。「ウォーレン・バフェット」が用いることで知られているバフェット指数はすでに150を超え始めており、完全なバブル状態ですから、見方によっては完全なバブル相場の終末における走る相場になっているとも見えますが、下落の兆候はまったく見られない動きが続いています。
ただ、利上げと資産縮小は確実に株式相場にネガティブな影響を与え始めることは間違いありませんので、突然市場が反応しはじめる可能性にも引き続き注意が必要です。
チャーティストの悪い癖
FX相場というのはチャートのある程度のポイントを下抜けたり上抜けたりしますと、さらにその先を意識するのが世の常で、とくにチャーティストと呼ばれるチャート分析系のアナリストはそうした嫌いが非常に強くなります。
ですから108円を割り込み107円台に到達すれば、105円方向に下がる可能性を多くのチャーティストが声高に指摘しますし、今度は111円を越えてきた相場状況では113.500円レベルを目指すと強気の指摘する向きも多く、こうした予想に翻弄されてしまいますと、やらなくていいドテンを繰り返しては損失を大きくしかねませんからあまり真に受けないことも大切です。
確かに可能性は捨てきれないものの、そんなに極端に上下するのかについてはかなり割り引いて考えなくてはならないことだけは意識しておく必要がありそうです。
とにかくここのところ毎日大きな動きがでるようになってきていますので、短い時間足で勝負して利益がでたらさっさとリカクすることで常にリセットしながら売買を進めておくことが大切になりそうです。
今週も市場の思惑で相場は上下に振れやすくなりますから、思い込みから一定の方向だけで勝負するといった発想はできるだけしないことがお勧めとなります。
(この記事を書いた人:今市太郎)