早いもので来週からいよいよ10月相場がスタートします。
足元では常に北朝鮮リスクが高まってはドルが下落する動きとなっていますが、どのような展開になるのか、どう決着がつくのかがまったくわからないため、ヘッドラインを踊るニュースに「アルゴリズム」が反応すると、いきなり「リスクオフ」からお決まりのようにドル円が売られる坦懐が続きますが、なにせ北からの厳しい発言が飛び出してもその先が続かないため、時間をかけて戻りを試すという相場が続いており、どこまで戻るかわからないことから、非常にやりにくい展開の繰り返しとなっています。
やはり最大のリスクは米国の株式動向
何があってもほとんど調整しない”いいところどり”の米国株式相場は本来ですと10月末からまた買いシーズンが巡ってくることになります。
多くの市場参加者はこんな高値からさらに上を目指していいのかどうか迷いもあるのだとうとは思いますが、チャートだけからみると高値でもトレンドがでる始末で、簡単には下落しそうではない雰囲気も漂います。
しかしながら、ここまで上昇を継続しますと日柄的にも暴落とは言わないまでも下落調整が明確に出る可能性はかなり高いのではないでしょうか。
日本株のほうは総選挙からほとんど下落は想定できない状況ですが、相場に絶対というものは存在しませんから、一定の調整下落が米国株式市場に出始めることになればFX市場でもドル円に応分の下落調整がでることだけは覚悟してかなくてはなりません。
多くの市場参加者が上方向を見ているときこそ、まったく逆さまの動きのリスクを事前に織り込んでおくことが大切になります。
トランプへの期待剥落リスクも依然として高い
ことある毎に問題発言を繰り返すトランプ大統領が当初表明していた、政策が悉くうまく実行できないことへの期待剥落リスクも高まってきています。
昨年の11月からいきなり1年分といってもいいほど上昇したドル円は、すでにかなりの期待剥落となっていますが、米国の株式市場はその期待を取り込みすぎの状況で、昨年11月段階で1万8000ドルを割れるかどうかのNYダウがいまや5000ポイント以上上を推移しているわけですから、やりすぎの巻き戻しが出始めると結構大きな下落につながることは十分に考えられます。
ドル円で考えますと、どうやら今年は118.600円と107.300円レベルの狭い値幅にとどまりそうな気配濃厚になりつつあります。
北と米国の偶発的戦闘開始リスク
メディアを通じて罵り合いと戦争の脅かしあいをしているうちは、相場が下げたり戻したりするだけの北朝鮮と米国の関係ですが、なにかの拍子に北朝鮮が放ったミサイルが米国の領土に到達してしまう、もしくはその著しい脅威に見舞われた場合、トランプが攻撃にOKをしてしまうというきわめて偶発的な戦闘が引き起こされる可能性もまだかなり残されているといえます。
こうなるとまったく想像の域を出ない話になりますが、ここのところの過激発言だけでも「アルゴリズム」主導で1円程度の下落は簡単にドル円に示現していますので、本当に戦闘になった、あるいは米国がなんらかの攻撃を仕掛けた場合には、そのの下落レベルをはるかに超える下げが瞬間的にでることも想定され、下落は買い場と認識しているとえらい状況に巻き込まれる危険性も考えておく必要があります。
こう見てみますと、まさかの上昇ということがほとんどないのがお解かりいただけると思います。つまりドル円でいえばリスクは常に下落方向にあるのが現実で、今ひどく下落が進んでいるユーロドルも一定の下落ポイントからは買い場になる可能性も残されているといえます。
ここでご紹介しているそのどれもがいつおきるのか、そもそも本当に起きるかまったくわかりませんが、ストップロスが入っていないとまったく防ぎようのないものになりますので、FXにかかわる個人投資家としては取引の仕方をストップのおき方に最善の努力をすることが求められそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)