9月からBTC/USDを「XM」で試しに取引してみたというご報告をこのFXコラムでも行いましたが、9月も終了しましたので、その経過をご報告しておきたいと思います。
BTC自身は安全だが取引所から先は結局これまで通りのリスク
ビットコインは多くの方がご存知のように通貨機能と決済機能を有するサービスであり、ビットコインそのものの安全性はきわめて高いものといえます。
また世界のどこからでも誰に対しても支払いができるという点では、これまでの金融機関やクレジットカード会社を通じた決済に比べてコストが低く、早くしかも安全である点はかなり秀逸なポイントといえます。
ただ、ビットコイン自身がもつ安全性とは別に、取引所や交換所を利用してこの仮想通貨を受け取るためにはいきなりリアルな業者に口座開設をすることとなり、ここから先はローカルカレンシー(ドルや日本円)に転換するのに取引コストがかかり始めます。
また2014年のマウントゴックスの事例のように、取引所が不正を働くと本来安全なはずのビットコインがすべて盗まれることもありますし、ハッキングにあう業者も後を絶たず、リアルな取引には問題がかなり残されていることがわかります。
今のところ業者にかかわらないユニバーサルな口座というものは存在しませんから、取引所が閉鎖などになると大きな騒ぎが起きるのも困った部分です。
また決済通貨として考えた場合、たとえばカレーライスを飲食店で食べてビットコインで決済した場合、一皿0.001BTCならば、9月の頭には360円ほどで食べられたものが、9月末には500円近い金額になっており、リアルタイムな通貨レートにあわせて0.0008などで食べられればかなりお得になりますが、BTCでの固定レートを設定しているレストランなどでは、とても使えないインフレ通貨になってしまうことがわかります。
相変わらずニュースや要人発言に影響を受けるBTC
こうしてみるとBTCの決済機能を特別使わないで、投機的な利益だけ得たいと思うなら「XM」のようなところで「BTC/USD」で取引するほうが仕組みもよくわかりますし、妙な取引に伴うリスクにも遭遇せずに済むわけですから、こうした取引に興じるトレーダーが多い点はかなり納得ができる状況です。
しかし、その動きは何と連動しているのは依然として掌握がしにくい状態で、大きく下げるときには主要国の要人発言や中国での取引所の弊社など、報道ベースのネタで下落することが多いのにはかなり神経を使わされることになります。
デモ口座の仮想的取引結果
「XM」で「BTC/USD」を取引しますとリアルなレバレッジはほぼ3倍程度ということになりますので、1BTC/USDは9月では14万から15万程度で取引ができたことになります。
「BTC/USD」と「BTC/JPY」の9月の4時間足のチャートを比較のために載せてみましたが、細かな差はあるにせよチャート形状はどのローカルカレンシーと比較してもだいたい似たような動きをしており、特定通貨との相関性があるわけではないことがご理解いただけると思います。
ただ、「BTC/JPY」は見ていただくとわかりますが、日常的にガチャガチャ上下しながら驚くほどのひげを出して動いており、およそ尋常な動きをしているようには思えません。
まだ1ヶ月ほどの取引ですから確たることは申し上げられませんが、とにかくトルコリラなどと同じで大幅に下落したときが大きな稼ぎ時になることは間違いないようで、短い時間足で動かすのならばBTC/USDよりもやたらと上下に動く「BTC/JPY」のほうが有利に展開できそうな雰囲気です。
ただ、残念ながら「XM」にはこの通貨ペアは存在しません。このレポートはまだまだわからないことが多いので引き続きアップしていきたいと思います。
ドルインデックスと比較してみますと、これまた、結構似たような動きをしており、9月の「FOMC」でドルが強含んだときにはBTCは瞬間的に下落しているものの、ドルインデックスと逆相関の形にはなっていない点もその動きを正確に把握するためにはなんら役にたっていないことがわかります。
たとえば3200ドルのときに1BTC購入して4500ドルで売れたすれば1300ドル程度利益がでたことになりますので14万強の利益を確保できたことになります。3倍のレバレッジでこの調子ですから、確かに上昇局面で底値を買っておけばかなり利益率となることは間違いないようです。
ただ、888倍のレバレッジを使えば、「XM」なら14万投入してドル円で一ヶ月で倍にすることも十分可能であり、どちらも確実とはいえませんが、暴落が起こらなければBTC/USDは確かに魅力的に見えるものといえそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)