10日からの週、どんどん動きが小さくなって、完全な膠着状態に陥ったドル円は結局111円台に下抜けてぎりぎり200日移動平均線の上にへばりついて、週の取引を終えることとなりましたが、週明けの相場も大きく上昇することはあまり見込めそうもなく、当面下落局面で日柄調整をしそうな雰囲気になりつつあります。
FX市場ではさらに下落するとか、再反発までの日柄調整だとかいった様々な見方が出始めていますが、実はこの時期不確定な要素が非常に多く存在しているため、そのうちのどれが相場にもっとも影響を与えることになるのかは明確には絞り込めないのが足元の状況となっています。
つまり上にも下にも行きそうで、この段階でどちらかに絞り込んで見切ってしまうのは非常に危険といえそうです。
上下双方向の材料で模様眺めの展開が続きそう
ドル円は上下双方向にむけて様々な材料が林立しており、この段階でどちらに動くと明確なトレンドを示唆できるものがないのが実情です。
ざっと足元の相場材料をなれべて見ますと・・・
・FRB議長の人事に注目が集まるが指名は遅れ気味~11月にずれ込む可能性
・北朝鮮の威嚇行動に対する関心は薄れたものの引き続き潜在的リスク残存
・国内では総選挙の結果待ち~自民党単独が大きく崩れれば円買い
・米国金利は低下傾向で上昇の勢いが極めて乏しい
・米国株式はトランプ政策期待で異常な上昇相場に
・ECBの出口戦略開始の可否が今月ある程度明確に
ということで、ドル円は再上昇の可能性もさらに下値を模索する可能性もかかえており、どちらかに断定して取引をしてしまうことは非常に危険になりそうです。
したがって当面上にも下にも対応できるように売買していく心構えが必要で、くれぐれも最初からきめてつけて売買するととんだ失敗をしそうな時間帯にさしかかっているといえます。
あわてなくても必ず方向性は見えてきますので、ポジションをあらかじめもって待ち構えなくても利益を確保できるチャンスは訪れますので、ここは多少辛抱が必要になりそうです。
投機筋はシナリオを持って攻めてくるが結構失敗している
9月から12月にかけては投機筋も利益を獲得するのに躍起になり、あらかじめシナリオを構築してポジションを積み上げることで果敢に攻めてこようとすることが非常に多くなります。
107円台まで沈みこませておいて、一気に買い上げて上昇トレンドをつくったドル円の9月相場もそのひとつということができそうですが、さすがに一相場は6円から7円動くとそれ以上は継続できないのが常で、一旦できすぎたドル円のロングが自律的に下げることで、ポジションを減らす動きになろうとしている可能性もでてきています。
ユーロドルも9月に上昇から明確に下落に転じましたが、ここへきて再上昇の機運が強まっていますので、確証を実感してから動きだしてもまだまだ遅くはありません。
初期段階の投機筋のシナリオは結構うまくいかずに失敗して終わることも多いことから、ついていくにしても本当にそうした動きになるのかどうかを見極めることは重要になります。
株の世界ではハロウィンエフェクトという言葉をよく聴きますが、ハロウィンの時期に買いで仕込んでエントリーしていくことが利益を得やすいのは確かに季節的にはかな確率の高い売買法となります。
為替もこれに近い動きが見られますが、ドル円などは1月に相場反転しやすくなりますので、個々からの勝負はあくまで11月、12月の二ヶ月ということになりそうです。
これまでに前例のない全資産全方位バブル相場が走っているわけですから、どこかでいきなり破綻することは考えられますが、とにかくとれるとこまでは取りに行くという覚悟を決める必要にも迫られそうなここからの取引状況が近づいてきています。
(この記事を書いた人:今市太郎)