株式市場のほうが今年の最高値がついた途端に売り浴びせがでて、大きく下げるといった波乱万丈の相場が続いていますが、FX市場は株が下げるときにはついていくものの、上昇には一切ついていっていない寂しい状況です
全体的にドルが動きづらく、ドル円は下値も堅いが上値も重いが相変わらず続いています。ユーロドルも三尊天井下抜けとはいいながら、そこから先が進まず1.16台中盤まで戻す展開で、レンジ内を細かくとらないことには利益は上がらないなかなか厳しい相場です。
ドル円は上げる時間帯と下げる時間帯が鮮明
久々にドル円の1時間足を平均足で表示してみますと、レンジ相場をいったり来たりしているのがわかりますが、平均足による表示では上昇している時間帯と下落している時間帯がかなり鮮明で、昨日あたりは上げも下げも両方示現したのが東京タイムということになってしまいました。
足元でいいますと113円台は10銭に近いところまでは下値はかすりましたが、113円自体は割れておらず、上方向は昨日までなんとか114円台に瞬間的に戻る場面もありましたが、すでに本日は113.700円から上に売り玉が下りてきており、さらに上下幅は狭まる傾向にあり、その間のレンジをせっせととるのでもない限りはほとんど利益を上げられない状況になってきています。
まあストップロスをおかなくても大きく逸脱しない相場ですから、安心といえばそれまでですが、この平均足を見ながら狭い中での一時的な方向感を確認して売買する以外は、手がない状況にさしかかってきており、これはおそらく当分続きそうな嫌な雰囲気にもなっています。
ユーロドルは上値を切り上げはじめているが1.17はまだ遠い
こうなるとドル円はあきらめてやはりユーロドル一本でと思ったりもするわけですが、ドルが弱いことからユーロドルも必ずしも下方向に動く流れにはなっておらず、こちらも下値狙いといっても我慢比べが続いています。
ネックラインを切ってからは平均足でみても結構下落が続きましたが、ここへきて1.15500で下値がサポートされてからは下落局面が減り始めており、むしろ上値方向に戻る時間帯が徐々に増えていることがわかります。
とにかく引き付けて売り場を探す展開なのかもしれませんが、こちらもポジションをとったからすぐに大きな利益が転がり込んでくるような状況にはみえないことがわかります。
感謝祭明けまではこの調子を覚悟せざるをえない
ここからの経済指標やイベントなどを考えてみましても、11月後半にむけて劇的に相場が変化するようなネタは政治的なリスク以外にはほとんど見当たらず、いい意味でも悪い意味でも材料出尽くしで相場は一旦お休みモードに入っている可能性が高まっています。
東京タイムならば株価の下落や戻りに、多少はドル円もついていくようになっていますので、それを狙ってスキャルピング主体の取引を行うことぐらいしか心掛けるポイントがありませんが、見ていますとロンドンタイムやNYタイムに流れが変わるようですから、そのあたりをうまく利用して少しでも利益を獲得できるように心掛けたいところです。
相場は市場参加者の都合で動いてくれるわけで、こうした停滞相場も我慢で乗り切らざるをえませんが、突然道が開けることもありますので、準備だけはしっかりしている必要があります。
この状況には個人投資家のみならず、プロのファンドマネージャーも結構がっかりしているはずですから、ここから参加者が減る時期にかけてウルトラCのような驚くべきしかけ売買が登場することも十分にあります。脇を甘くすることなくいつ変化が訪れても対応できるようにしておきたいものです。
しかし年末が近づいてもこれだけやりにくい相場状況が登場したのは、ここ数年ではかなり珍しい感じがします。
(この記事を書いた人:今市太郎)