先週からかなり目立っていたことですが、ドル円には113円と114円ちょうどにかなり大きなオプション設定がされており、これが相場の上下と相当妨げる動きをしている状況で、ほとんど大きな動きができない状況に陥っています。
オプションの周辺で膠着しがちなドル円
そもそもFXでオプションの取引が積極的に行われるのは、どちらかの方向に大きく動きそうだというときに大きく跳ねても儲かるようにいオプションを買っておくといったやり方が多くなりますが、上方向なのか下方向なのかはっきりしない相場状況になると、上にも下にもオプション設定が増えることになります。
「ダブルノータッチオプション」のようにその価格に触ってしまったら、すべての権利が消滅してしまうというものもありますが、一般的なオプションはコールかプットのどちらかでその価格の近辺になるとどちらのオプション設定もあることから通り過ぎて、上昇すれば上で売られることになりますし、下抜ければ今度は買戻しを受けることになるため、徐々にオプション付近で収斂してしまうケースが多くなります。
またオプションに近くなると防戦売りや買いがでることもあるため、上下にオプションが多く並びますとおのずと相場の動きはスタックしがちになってしまうのです。
足元のドル円相場はまさにこのパターンで、つい最近までは113円と114円のみならず113.500円といった間の部分にもオプションがあったことから、ますます動きが鈍くなる傾向がありました。
11月15日を超えるとこのオプションもかなりなくなる予定
どうも市場から伝わる情報をもとにしますと、現状でドル円の上下に鎮座ましましているオプションも15日のNYカットでかなり解消される見込みのようですから、このあたりから上方向に走るなり下方向に押すなりの動きがやっと顕在化する可能性がでてきそうです。
個人投資家はバイナリーオプションぐらいしか買わないので、こうしたオプション設定というのはいまいち詳しくなれませんが、投機筋はまさかの時のためにこうしたオプションを結構買っており、これは株式市場でも同様のことがいえる状況です。
相場の方向感がいまいちよくわからないと個人投資家が思っているときにはプロの投資家も同様の迷いをもっていることが多く、それを解消するための保険のようにオプションの売買をしておくことが多くなるのです。
そうでなくても動きが悪いドル円に要所要所でオプションが邪魔をしたのでは、トレードにならない気分になりますが、今しばらく我慢が必要になりそうです。
どうも今年は日柄調整で年末を迎えそうな状況
このコラムでは「日柄調整と値幅調整」についてすでにご紹介していますが、どうも今年の11月については値幅調整で狭い幅で膠着しながら時間をつぶす相場が続きそうな気配で、とにかくこのレンジ相場をいかにうまく利用してトレードをするかが大きなカギになりそうです。
なかなか順張りでついていくのはむずかしそうですから、逆張り一本に割り切って利益を積み重ねていく作業をしませんと23日以降はますます相場が動かない時期に突入してしまいます。
11月もまともに動いてここからあと1週間程度となりますので、めげずに少しずつでも利益を載せていく努力をされることをお勧めしたいと思います。
インターバンクのディーラーたちも積極的に自ら相場をリードしようとは思っていないようで、動く方向についていこうをほとんどの市場参加者が思っていることから全く動かない相場が継続することになっています。
ここまでやりにくい相場が示現するとは思いませんでしたが、これはどうもドル円に限った話ではないようですので、とにかく焦らずにじっくりとトレードを進めて無理はしないという姿勢が重要になります。