フリン元報道官が突然検察側に寝返りを打つ形で、ロシアゲートに関する娘婿クシュナーからの命令があったことやトランプの関与がかなり明確になってきそうな雰囲気です。
とにかく報道が出るたびに、これでもかというばかりに「アルゴリズム」が売り浴びせに入る相場になっていますので、内容もさることながら報道でかなり相場に激震が走ることも予想される状況です。
弾劾は共和党がマジョリティをもっている限り簡単には実現できないと思われますが、そうでなくても支持率の低いところに決定的関与を示す証拠が飛び出してきた場合、さしものトランプも「辞任せざるを得ない」という状況が飛び出してくることは容易に想定できるものとなりそうです。
さすがにこうした決定的事態が年内に示現するまで、深刻な状況になるのかどうかはまだ様子を見ないことにはまったくわかりませんが、どうも疑わしきは罰せずではすまないところにまで差し掛かってきているようで、ここからはFX市場での相場の急落に非常に注意が必要になります。
ヘッドライン報道一発NYダウ300ドル、ドル円2円下落
先週の突然の報道でもNYダウは結局一時的とはいえ300ドルぐらいは簡単に調整しており、とくに高値圏からの下落はいくらでも下落余地のあるものとなっているだけに、株への影響は相当なものになりそうです。
また為替は今回112.85円から突然下がり始めて、111.400円程度まで1.45円近く下落しています。
今年5月18日にはじめてトランプゲートで大きな下落となった際にも、NYダウはマイナス373.82ドル、ドル円は113円から110.89円まですんなり下落していますから、ヘッドラインの報道ひとつで2円以上は楽々下落することが予想されます。
したがってネガティブな報道が出るたびに下落が進み最終的に辞任観測で大きく下げて、辞任確定で底を打って買い戻すという展開が続くとすれば、そのプロセスがどれだけ長引くかによっても下落幅は異なるものになりそうです。
ちなみに大統領選挙でトランプ勝利が飛び出した時に瞬間下落した底値が101円ですから、辞任による完全巻き戻しとなるとそこまで戻るのかどうかも気になるところです。
ただ、足元ではトランプの存在の可否にかかわらず減税法案が独り歩きし始めていますから、トランプ自身がいなくなることのインパクトも想像よりはるかに薄れる可能性も残されており、もっぱら本人の関与度と犯罪性のレベル次第になることも予想されます。
窮鼠猫を噛む北朝鮮攻撃という見方も
これは辞任とは直接関係ない話しですが、追いつめられたトランプは辞任前にとにかく国民の目をそらすために北朝鮮に攻撃を仕掛けることもありえそうだという見方が登場しています。
戦争ということになると、突然ナショナリズムが高揚する不思議な国が米国ですから、国内まで到達が確実となったICBM対策でトランプがいきなり北を攻撃すると決断して話がいきなりロシアゲートから北朝鮮攻めに切り替わることも可能性としては考えられそうです。
不仲説が一向に消えないティラーソン国務長官は政権内では数少ない対話志向の人物ですから、この国務長官が更迭されれば「ピーターナヴァロ」のような過激発想の持ち主だけがトランプを後押しすることも十分に考えられます。
いきなりきな臭い雰囲気になってきましたが、この12月相場ははからずもひと稼ぎできそうな大きな動きを期待できそうな雰囲気になってきました。
ロシアゲートネタはやはりNYタイムが中心に展開しますので、東京タイム、ロンドンタイムとはまったく異なる動きがでることにも相当注意が必要ですし、ドル円でロングをとる場合にはしっかりストップロスを入れることやヘッジでオプションを買うなり逆指値でポジションがとれるようにしておくなりの準備を怠らないようにしたいものです。
(この記事を書いた人:今市太郎)