東京市場は6日株式が前場から大きく下げ始め、昼休み中に先物が仕掛け売買で大きく崩れだしたことから結局日経平均も455円安という年内最大の下落幅を示現させることになりました。
今週は8日にメジャーSQを控えていることから、そのためのロールオーバーを見込んだ仕掛け売りの可能性も高く、他の株式市場にはあまり大きな影響を与えることにはなっていないようですが、為替のほうはこれだけ大きな下落があったにも関わらず、それほど連動した動きを見せずにNYタイムを終了しています。
ぎりぎり112円台を死守
もちろん東京タイムで株価が下落したのを嫌気したドル円は一緒に下げはしましたが、112.500円レベルか112円すれすれまで下落してからはなかなか下がらず、ロンドンタイム入り直前に下値を試して111.992円をつけてからは何度か下方向を探ったもののNYタイム、112.300円にあったオプションがエキスパイアしてからは112.372円まで戻る展開となり、112.200円台中盤でNYを引けています。
この時期既に本邦生保勢の買いも一巡しているはずですが、112円にはそれなりの買いが並んでいることだけははっきり確認できた状況で、値幅は狭いものの下値も堅いというあまりぱっとしない相場が続きそうな状況になってきています。
雇用統計で吹き上がれば売り場か
8日には11月の米国雇用統計の発表がありますが、仮に数字がよくて上にはねることがってもどうやら絶好の売り場となりそうで、ここからは相当数字がよくても113円台まで戻すのはかなり至難の業になりつつあるようです。
来週にはFOMCも控えていますが、これが終わると大きなイベントはほぼ通過することになりますから、ドル円を年末までに売りたいと考えている投機筋はこの間に必ず売りを出してくるはずで、高値がついたら戻り売りで対応するのがどうも一番間違いなさそうな相場になりつつあります。
材料は多いものの市場のテーマは不明確
欧州では英国のBREXITの交渉状況が注目されていますが、それ以外は材料は多いものの、決定的なテーマに欠けるところがあり、何に相場がもっとも反応するのかは今一つよくわからないなりつつあります。
米国の税制改革については詳細の調整は必要なものの実施について目途がついたことから、すでに相場は大きく反応しなくなっており、トランプの疑惑問題についてもABCのフライング記事以降は迂闊な報道がでなくなったせいもあり、一旦様子見の状況が続いています。
北朝鮮はまだこれからリスクがありそうですが、ロケットの発射だけでは市場はほとんど反応しなくなっており、次なる展開次第の状況です。
中東の地政学リスクの問題は日本ではあまり詳細が語られていませんが、実はリスクとしては足元ではもっとも大きな問題で、今後の展開次第では為替にも当然影響が出そうです。
このように気を付けなくてはならないことは多いのですが、どれか一つが大きくクローズアップされて相場が大きく展開する動きにならないのが実情で、方向感がわからない場合には、無理してポジションをとらずに静観するのもこの時期の過ごし方になるのかも知れません。
クリスマス明けからは事実上新年度入りしますので、多くの市場参加者が相場にもどってきますし、いきなり流れが変わることも多くなりますので、それまで英気を養いながら次の相場を考えるというのもいい方法になりそうです。
昨年が異常とも思えるぐらい年末最後までよく動いた相場だけに今年はかなり物足りなさを感じますが、ドル円のみならずユーロドルもポンドドルも非常に限られた動きであったのが今年の特徴といえます。
それだけに年末相場も過度に期待しすぎないことが大切で、ほとんど動かないまま年の終わりを迎える可能性も考えておく必要がありそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)