今週は今年のFX取引を振り返っていますが、二つ目のポイントとしては、結局のところトレンドフォローで売買することが大きな利益をもたらすことになったという点があげられます。
これはこうした文書で読みますと至極当たり前の話に聞こえるのですが、実際にFX取引をしていますと、一方向に相場が動き始めたときに必ずしも個人投資家はその流れについていこうとしない売買をしてしまうことが多いのです。
しかしこれが結局利益機会を逃すことになりかねないということを改めて感じさせられました。
本邦個人投資家は異常なほど逆張りがお好き
どうしてなのかという理由ははっきりしませんが、本邦の個人投資家というのはとにかく逆張りがお好きなようで、相場が動きはじめると必ず高値や底値の部分で逆張りをしてくる向きが思いのほか多いのがいい意味でも悪い意味でも特徴になっているといえます。
もともと国内個人投資家が扱っているドル円は年間を通じてほぼ7割近くはレンジ相場の中をうろうろしていますから、デイトレやスキャルを含めて逆張りでもそれなりの利益機会があることは事実なのですが、年に2回程度登場する非常に強いトレンド相場発生の時に順張り、つまりトレンドフォローでついていかれない個人投資家が非常に多い点は、やはり来年以降の相場では改善の余地のある売買行動であろうと思います。
AI実装のアルゴリズム登場でトレンドフォローが明確に
今年の相場で特に気になったのはアルゴリズムにAIが実装されるようになっていることから、一旦トレンドが出始めると長い時間足でも短い時間足でも徹底してアルゴリズムがトレンドについていこうとする動きをかなり明確に示現させているということです。
もちろんこうした機械的な売買はトレンドが消えたとたんになんの躊躇もなく反対売買に転じるわけですからそれなりの注意が必要になることは事実ですが、裁量取引のレベル感からの逆張りというのはすでにドル円あたりでもうまく機能しなくなっており、相当高いところからでもストップロスを置いて相場についていく、あるいは底値に近いと感じても相場に下落トレンドがでれば平気でついていくといった人間の感情を廃したトレードが求められ始めていることを非常に強く実感させられました。
ドル円の日足チャートでみますと昨年11月から年末までの動きは昨年の話ではありますが、やはり明確なトレンドがでていた時期で、こうした時期に順張りができないと儲からないことになってしまうわけです。
今年に関しては年明けからドル円は下落してレンジ相場を形成しましたが、9月に入って107円台まで突っ込んでから114円台中盤まで戻すタイミングにはやはり明確なトレンドが形成されていますから、このタイミングで相場に順張りで乗れなかった方は売買の方法を再度チェックしてみることが必要になりそうです。
ちなみにですが、日足で出ているトレンドが週足にも現れますと、かなり強いトレンドであることは間違いありませんので、時間足を切り替えてその内容を見ていくということも重要になります。
デイトレやスキャルピングを行っている相場であってもトレンドが出始めた場合にはもう少し長く売買することが可能になるものです。
こうした年間に数回しか現れない好機をいかに逃すことなく売買していかれるかが、FXでは利益を積み上げる大きな要素になるということを肝に銘じる必要がありそうです。
トレンドがでるときはレンジを超えるときですからこれまで以上に相場が無理やり上昇したり下落したりするものです。それにいかに躊躇なくついていかれるようになるのかというのは裁量取引をするトレーダーにとっては今後も大きなテーマになってくるのではないでしょうか。
(この記事を書いた人:今市太郎)