あけましておめでとうございます。本年もこのFXコラムをよろしくお願いいたします。さて、今年のスタートはいよいよ2日からということで、本日は世界的にお休みとなっています。
果たして今年はどのような相場展開になるのか多くの個人投資家の方が将来予測を期待されていることと思います。年末になりますと業界関係者の為替予測水準といったものが発表されますが、誰が当たって誰が外したかという話は別にしても、ほとんどこうした相場予測というものは取引の役には立たないことを毎年痛感させられています。
その理由は簡単です。それはどのような経緯でその想定レートになるのかがまったくわからないからで、来年の今ごろはいくらぐらいになっているということがわかってもほとんどトレードの足しにならないからなのです。
漠然と年末いくらになりそうだけ聞いても全く役にたたない
FX相場というのはとにかくプロセスが重要にになります。たとえば2018年末ドル円が120円になると言っても、この3月までに100円に下落し、その後夏に向けて130円まで上昇し、結果的に年末120円に下落するのと、ここから延々とじり高が続いて年末までに120円になるのとでは結果イメージは同じでもプロセスが全くことなります。
前者のようなボラタイルな動きをした場合には、後者の取引とは全くことなることになってしまうので、途中がどうなるかがわからないかぎりほとんど個人投資家にとっては意味のない情報ということになるのです。
逆に今年はドル円が上昇するといった余分な刷り込みだけうけてしまい常にロングを取っていると大きくやられる可能性もでてきてしまい、いいことはほとんどありません。
プロの年間相場予測などはそもそも当たらないところにもってきて、そのプロセスすら明確ではないわけですから、聞かないほうがよほどましな情報といっても過言ではないといえそうです。
それでは個人投資家はどうするべきなのか?
人が行う裁量取引ですから、どうもドル円相場は上がりそうだとか下がりそうだといった印象を持つのは仕方ないことだと言えます。
しかしその自分がもつ印象にこだわり過ぎて、それをゴールであるかのようにポジションをもったり、無理してナンピンをしたりしてゴールに近づけようとするようなトレードをすることは今のFXの相場状況では非常に無駄な作業になりやすいという点をしっかり理解しておく必要があります。
漠然としたイメージを持つことはある意味構いませんが、テクニカルチャートがそれを裏付けるような動きをしているという事実のサポートがあってはじめてトレードが成立するということを常に意識しておく必要があるのではないでしょうか。
AI実装のアルゴリズムは容赦ない動き
最近のFX相場の特徴としては、単に指標やニュースのヘッドラインなどで過剰に動くレベルの低いアルゴリズムと違って、トレンドがでているかどうかをAIのディープラーニングがしっかり分析し、ひとたびトレンドがあるとなれば低いところからでも高いところからでも、なんの躊躇もなく相場に入ってトレンドフォローをするAI実装のアルゴリズムの動きが顕著になっているということが挙げられます。
この高度なシステムトレードに負けないためには予断を持たないこと、つまりこうなりそうだと勝手に決め込んだ取引を一切排除して人としてはあり得ないほど柔軟な売買姿勢を確保することが重要になると思われます。
常人の世界ならここからは買わないという高値でも、トレンドが発生すると見たら勇気をもってエントリーするというかなり強引な売買姿勢がこれからは求められることになるのです。
逆にトレンドが切れたと思った瞬間には、これまた躊躇なく反対売買に転じる勇気も必要になります。そういう意味では前段に書きましたようにプロの誰かがああ言ったとかこう言ったという話はトレードにはなんら関係ない余分なノイズであると割り切る必要があります。
この姿勢を貫けるかどうかがFX相場で2018年いきのこれるかどうかの大きな分かれ目になると思っています。そんな視点でこのコラムをご覧いただければ幸いです。
(この記事を書いた人:今市太郎)