週末110円50銭台まで下落したドル円はなんとか最後に110.800円台まで戻してNYタイムを引けていますが、その後暫定予算問題が急展開することとなり、週明けの月曜日の朝から窓を開けて下落しそうな展開です。
しかし22日からの週はイベント盛りだくさんであるため、かなり上下に振れる展開が予想されますので、ポジションは十分注意して利益が出るたびにしっかりリカクして前に進むことが必要になりそうです。
米国は暫定予算否決で政府機関一部閉鎖
先週末までは暫定予算案がすんなり議会を通過するだろうとかなり市場参加者は楽観視していましたが、結局上院が19日までにつなぎ予算を採決できなかったことから20日午前0時(日本時間では同日の午後2時)から連邦予算が執行することとなり、政府機関の一部が事実上の閉鎖に追い込まれています。
ただ、予算のすべてがなくなっているわけではないので、閉鎖となる機関は限定的な状況で、引き続きつなぎ予算の成立を目指すことになりますので、月曜日の朝ドル円が下窓をあけて進行してもどこかで買戻しがでる可能性があることから単純に売りについていくのは危険そうです。
2013年10月の前回の政府一部閉鎖では一部の経済活動に影響がでましたが、今回どこまでそうした影響がでるのかが注目されるところです。
民主党はつなぎ予算に賛成する代わりに、幼少期に親と不法入国した若者の滞在を認める制度「DACA」の存続を求めていますが、共和党は対立点が多い移民政策と予算を切り分けて議論するよう求めていることから簡単に決着がつくかどうかも気になるところです。
共和党サイドはトランプが民主党に簡単に歩み寄る姿勢を見せていることも快く思っていないようで、話は想像以上にこじれる可能性もでてきています。
日銀政策決定会合後の黒田会見で振幅か
23日には日銀の政策決定会合の政策金利発表とその後の黒田総裁の記者会見が予定されており、市場で出口戦略の思惑が渦巻いているだけに黒田総裁の発言次第でドル円は大きく振幅することになりそうです。
基本的に政策決定会合自体は現状維持ということなるのでしょうが、黒田総裁の会見で出口戦略はまだ全く考えていないといった強い姿勢がでればドル円は瞬く間に上昇に転じることが考えられます。
ここのところ円高が進んだのはとにもかくにも日銀の国債買いオペ減額が大きな理由になっていますから、これがしっかり払拭されるかどうかがポイントになります。
そんなことはないと思いますが、出口に含みを持たせた発言がでれば逆にドル円は円高方向にさらに沈みこむことになります。ファンド勢の仕掛け売買も登場しやすいタイミングですから、十分な注意が必要です。
黒田総裁の会見をドル円は一体どのレベルで迎えるか次第のところもありますが、内容次第で結構買戻しがでることも想定しておく必要があります。
極めつけはECBドラギ会見発言
そしてこの週の極めつけはECB理事会の結果発表とその後のドラギ総裁の会見ということになります。
今回の理事会では現状維持が継続することになるのは間違いなさそうですが、ここのところEU関連の要人がかなりユーロの上昇に懸念を表明していますので、ドラギ総裁の口からも同様の強い発言がでればたちまちユーロはドル高方向に調整する可能性が高まり、ドル円にも大きな影響がでることが予想されます。
ユーロの下落ということでいえば、ユーロ円も下落することからドル円がそれにつれて下がることも考えられますし、ドルの復権といなればドル円は上昇に舵を切ることになります。
このように22日週は日替わりでテーマが変わってきますので、一週間で難解も流れが反転することも想定しておく必要がありそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)