読み込み中...昨年からずっと警戒していた状況がいよいよ始まったのではないかというのが足元の相場状況に対する個人的な印象ですが、先週金曜日に引き続き週明け月曜日のNY市場は大きく値を下げています。
すでにNYダウは2万5000ドルを大きく割り込んでいますので、金曜日段階では金額は大きくても比率は大したことないと言われた下落幅はいよいよたいしたことないわけがない領域に突っ込んでき始めています。
NYダウの終値は２万4345ドルでっざっと1175ドル4.6％の下げですからかなりの下落幅であることがわかります。当然NYダウが下げれば何の主体性もなく下落のご相伴に預かる日経平均のほうも先物はいとも簡単に2万２０００円を割り込んできており、押し目とばかりにレベル感から迂闊に買いを入れると底抜けしそうな状況です。
ここまで下げるといよいよ暴落か？と思いたくなりますが、自衛隊のヘリが墜落しても着陸炎上という人もいるわけですから、これが暴落かどうかという言葉遣いは別にしても全体で株式は最悪20％程度までの調整は意外に簡単に到達してしまうかもしれないと思っています。
債券金利は大きく上昇していない
一方気になる米国10年債金利のほうですが、意外に大きくは上がらずに推移しており、2.7％台で推移中です。
さらにこれを受けてドル円は109円台前半にまで沈みこんでいますが、パニック的な売り状況ではなく、為替はドル円もユーロドルも比較的落ち着いた状況になっています。
個人投資家の楽観的態度が売りを加速するケースも
長く楽観相場が続いていますと多くの投資家が下落は押し目と思って買い下がるわけですが、実は単なる下落の途上であったりするため一斉に投げが始まって暴落が加速してしまうケースはバブル相場の最後にはよく見られるものです。
今回の動きがそれになるかどうかはもちろんこの段階ではわかりませんが、わけのわからない仮想通貨のバカ騒ぎと大規模な盗みの事件などというのはよくバブル期最後にみられる光景で、なんとなく相場はよろしくない方向に着実に向かっているように見えます。
相場の下落というのは上昇よりも数十倍速いスピードで襲ってきますから、これに乗ることができると非常に効率的な利益獲得ができることになります。
暴落というのは実は明確な理由があって起きるというよりもこうした市場参加者の不安が一気に高まり流動性が枯渇してパニックに陥ることがほとんどなのです。
ですから後から思い返してみると何が原因なのかはおぼろげにはあるものの決定打としてどうしてこの日に暴落するのかというのは意外にわからないことが多くなります。
したがって、今回の下落も本当に単なる調整で終わるのかかなり深い下落を伴う結果をもたらすのかはここからの相場の動き次第ということになりそうです。
為替の世界に話を戻しますと、ドル円はやはり当面戻り売りを心掛ける必要がありますし、下落が継続しますと今度はショートが溜まり始めますので下がらなくなったと思ったら今度はすかさずショートカバーを狙った売買をしていくことがお勧めになります。
為替がこうした大きな相場の価格変動にまったく敏感に反応しなくなっているというのはかなり意外ですが、逆に言えば大きな損失を食らうリスクが軽減しているわけですから、粛々と利益を積み上げていくことで乗り切っていきたいと思います。
昨年の7月以来このコラムでも何度となく警告してきた大きな調整相場がようやく現実のものになろうとしています。とにかくここからは落ち着いて妙な動きに巻き込まれないようにすることが肝心です。
またたいした確証もないのに強気に振る舞うのは危険です。相場の動きのすべてをとらえて利益にすることは所詮無理がありますから、ある程度リカクできたらよしとするほどほど感をもつことも重要です。
（この記事を書いた人：今市太郎）
