読み込み中...14日のNYタイムでは予想を上回った米国の1月消費者物価指数を受けた金利の上昇から、まずはドル買いが強まることとなりました。
しかしそれも長くは続かず、その後、インフレや金利の上昇が成長の脅威になるとの懸念が浮上し、成長見通し引き下げがドル売りにつながり、またしても106円台に下落しぎりぎり107円をはさんだ動きでアジアオセアニアタイムへと引き継いでいる状況です。
米国株式のほうは一旦上昇していますが、もはやドル円は株価にもお構いなしの雰囲気で、どうしても下方向をやりたそうな動きを見せています。
NYタイムの底値は106.72円ですがまだまだ下を試したそうな感じですから、なにが材料視されてくるのかが注目点になりそうです。
ドル高でもドル円は別の動きをしはじめている
ドル円という通貨ペアにはよく起こりがちなことですが、全体としてドル高になってもドル円だけは大して上昇せず、むしろ気がつくとドル安を示現しているというケースは結構あるものです。
足元の相場は東京タイムの日経平均の下落などが十分な下押し材料になっているようにも見えますが、株式市場では円高を嫌気して値がさげているという話も伝わってきますから、株と為替がお互いに相手を理由にしている状態で実態はよくわかりません。
直近のドル円の5分足のチャートをご覧いただくとわかりますが、米国におけるCPIの結果を受けて大きく上下に振れたあと106.716円まで下落したものの、そこからさらに深押しすることはできなかったものの上値も107.167円までしか戻すことができず107円台にとどまっているのもかなり難しそうな状況になりつつあります。
既に2017年の下値を底抜けていますのでここからはトランプが大統領に就任した段階の101円レベルまで明確な節目があるというわけではありませんので、1日1円ペースでずるずる下げ始めるとかなり深くまで落ち込む可能性もでてきています。
GPIFはショートカバーを装った買い仕掛けをしているのか？
14日の東京タイム明けがかなり面白い動きになりました。 仲値に向けて上昇したドル円は株価の下落に呼応するようにどんどんとねを下げとうとう午後1次すぎには106.839円まで下値を広げる展開となりましたが、やはりこのあたりでは上に押し上げようとする向きの買いが湧いてきて、その後は107.100円台を絶対に割らせないような動きが続きます。
そして4時近くには107.500円レベルまでショートカバーがでたかのような動きを示現しました。しかしこれはなんとなくGPIFなどが徐々にショートカバーを装って買い上がったようにも見える動きで、買い方のほうも結構苦労しながら相場を作っていることがわかります。
ただ、こうした準公的機関の買い支えも絶対的な力を持っているわけではありませんから相場水準を死守できるかと言われればかなり難しい状況で、一定の戻りを試す動きを出してくることはありそうですから東京タイムの下押し局面では突込み売りだけはかなり注意をしなくてはなりませんが、十分に引き付けられればまだまだ戻り売りが相当しっかりと機能する相場になっていることがわかります。
このドル安円高相場はどこまで続くのか明確にはわかりませんが、どうも相場の動きを見ている限りでは106円台に突っ込んだからおなか一杯という感じではなさそうで、まだもう一段の下値余地がありそうです。今年のスタートが113円台の中盤あたりからでしたから10円値幅で下値を模索するとすれば105円を下抜けて103円台あたりまでを探りにいっても決しておかしくはない状況です。
足元にそれだけの材料があるのかという問題はありますが、投機筋のドル円ロングのほどき売りが一斉に出てしまいますと、そのぐらいまでの下落も十分にありうるといえそうで、一時的な戻りはでても安易に押し目を買って長期の保有する段階ではなさそうです。
（この記事を書いた人：今市太郎）
