読み込み中...ドル円は105.550円まで突っ込んだあと108円手前まで戻してきており、循環という視点でいいますとかなりいいところまで戻した感があります。
果たしてここからどこまで戻すかが気になるところですが、チャートを見ますとちょうど2月3日に株式相場が崩れだしてから時をずらすように下落をはじめて108円あたりで半値戻しになっており、ショートカバーだけではここから上には上がれそうもなさそうな状況になってきています。
107.300円を超えたことで一旦ドル円の日足の下落トレンドは引っ込む形となりましたが、フィボナッチリトレースメントでみても108円台中盤までもどして61.8％戻しですから、この辺りはやはりかなりいい線まで戻していることを示唆しているといえます。
FOMC議事録を受けて米10年債利回りは３％手前まで上昇
午前4時に発表された1月の連邦公開市場委員会（FOMC）議事録では、緩やかな利上げ軌道を維持することが適切ということでメンバーが合意したことが明らかになりました。
しかし、多くのメンバーが12月FOMC以降、成長見通しを引き上げ、一段と強い成長がさらなる利上げの可能性を引き上げたと指摘され、インフレも多くのメンバーが2％目標に向けて上昇すると見ていることが明らかになったものの、一部メンバーがインフレ目標未達リスクがかなり高いと判断するなど、慎重な見解も見られたとする内容であったため一旦はハト派的とみなされてドル円は107円台前半まで売り込まれました。
しかし5年債の入札を受けて債券金利が上昇したことからドル円もそれにつられて上昇し、107.800円超のレベルまで相場を戻す展開となっています。すでに米10年債利回りは2.95％超まで上昇しており、めずらしくドル円が金利上昇についていく形で相場を駆け上がったのが印象的でした。
しかし、為替とは対照的に金利上昇を明確に嫌気したのがNYダウで、当よ大きく上げた分をすべて削り168ドル安の24795.75ドルで引ける形となっています。株式市場はここのところ金利の上昇を確実に嫌気しており、米10年債が3％に近づくと値を大きく下げるのが顕著な状況です。
ドル円は債券金利についていくか株価の下落に押されるのか？
久々に債券金利の上昇にしっかり連動する動きを見せたドル円ですが、逆にに株価の下落のほうについていくのか、以前からの10年債利回りとの正相関をとりもどすのかがここからの注目点となりそうです。
日柄やチャートを合わせて判断しますと、この先ドル円は再度下方向を試す形になりそうで、来週以降のさらなる調整も気になるところです。確かに相場としては2円以上戻して一安心といったところですが、日足でみていますとまだ戻りは弱弱しい感じで他の要因に様々に影響を受けそうな相場が続きそうです。
今回の戻り局面ではレベル感からの戻り売りが大きく踏みあげられる展開となってしまいましたが、昨日の上昇局面では俄かロングもかなり切らされる展開で、投げと踏みが交互に出る痛みの大きな相場となってしまいました。
せっかく儲かったと思った個人投資家も売りで捕まるケースと逆張りで戻りを試したのに投げを余儀なくされた向きとが混在している状態で、結構苦しい思いをされた方も多かったのではないでしょうか。
週末108円台をしっかり回復して終わった場合には再度視点を変える必要がありますが、現状のレベルでもみ合いを続ける限りどこかでまた下値を試す時期がやってくるものと思われます。
本日はECB理事会の議事録公表もありますので、また一波乱となるリスクも考えておくべきでしょう。ドルは一方的な安値からだいぶも度した感がありますが、また逆戻りも十分に考えられるだけにあまり方向を断定せずに柔軟に売買ができるようにしておくことが大切な時間帯になりそうです。
（この記事を書いた人：今市太郎）
