ここへ来て相場の先行きについてあれこれメディアからインタビューを受けている新債券の帝王ジェフリー・ガンドラックがかなり面白いことを言って注目を集めています。
それは直近のビットコインの相場状況を投資家心理のムードをはかる指標として活用しているというのです。へえ、債券の帝王がそんなことで先行き見ているの?というはかなりびっくりする話ですが、これがどうも至って真面目な話のようでどうやら本当に利用しているようなのです。
異なる市場のチャートから近似値を探し出す手法論
Data Market insider
株式相場は2017年9月7日を転換点とし、上昇ペースを加速。同時にビットコインも1BTC=4500ドルから2万ドル近くまで一挙に上昇しているのはご存知のとおりです。
そして、昨年12月にピークをつけ、急落しており、株式相場も1月に高値をつけたのち急落していることからもう少し短期にみても近似性が感じられるというわけです。
これはチャートの形状もさることながら市場に向き合う参加者のセンチメントをよく示しているともいえそうでバブル相場の末期における独特な状況もビットコインのほうが先行して醸し出しているのが気になるところです。
MSNマネー
こうした全く異なる市場から近似値と思えるチャートを探してきて互いの形から先行きを想像するというやり方はそう珍しいものでもなく、短期投資の神様として有名なラリーウイリアムスも同様の手法を用いては相場の先行きを想定していますし、なにより昨今のAIとGPUによるチャート探しでは人工知能が広範にこうしたチャート探しを行っていることが有名になってきています。
この2つのチャートではスケールも違いますし必ずしも比較しやすい状態ではありませんが、一つだけいえるのは超長期のNYダウのチャート形状とBTC USDの形状が結構似てきているということで、まだ株式市場のほうは大幅下落には至っていませんが、ビットコインと同じ動きをするのであれば早晩大きな下落がやってくることはありうるわけです。
バブル相場の最後になるととにかく素人でトレード経験のない人間がどんどん市場に入ってきて儲けのタイミングを失わないようにと躍起になって買いあがる姿が見られるようになりますが、ビットコイン相場はその状況をデフォルメしたようなもので、たしかに買うから上がる、上がるから買うの繰り返しでほとんどそのプロセスにロジックはありません。
また下落がはじまると見なが出口に殺到するためにすっかり流動性が失われて必要以上に下落してしまうという相場が本当に見事に示現することになります。
これが米国の株式相場の先行きを示唆するとなれば想像以上に流動性の低い株式相場が動揺の動きになる可能性はかなり高いともいえます。これをガンドラックが真剣に見ているというのはかなり興味深い話しで、ここからのビットコインの動向にも注目をしていきたいと思う状況です。
パウエル新議長は無難に議会証言を終えましたが、何回利上げするとは一言も言っていないのに市場は4回と受け取ったようで株式相場はまた下押しする状況となっています。
これで本当に利上げが立て続けにおきれば債券市場、株式市場ともに大きな変化が訪れる可能性は十分に考えられるだけに先行きを示唆するものがあるのならしっかり確認しておきたいところです。
そういう意味でも一旦かなり戻した感のあるビットコインがまた大きく下落を始めるタイミングがやってくるとなるとかなり構える必要も出てくることになるのかもしれません。
こればかりは実際に起きてみないとなんとも言えませんが、我々も市場のセンチメントをつかむためにガンドラックに負けずに注視しながら取引を行っていきたいものです。
(この記事を書いた人:今市太郎)